新型クラウンSUV発表1ヵ月前 ディーラー直撃! いま商談をするとどんな状況?

■新型クラウン発表のタイミングは?

「では新型はどういうタイミングで出てくるんですか、新型はこれまでの伝統的なクラウンの文脈とは相当異なった、SUVに近いデザインになるとも聞いていますが」、と質問したところ、「まだ確定した情報は何もなく、我々営業マンも何も公式には聞かされていません、お話できることが少なくてすみません」と、これまた営業マンが申し訳なさそうに何度も繰り返す。

 やはり販売現場での情報管理が非常に厳しいようだ。

「日本で一番クラウン売っている優秀な営業マンが何も知らないわけないじゃないですか、何か少しでも教えてくださいよ」、と持ち上げつつ畳み掛けると、「いえ、多分三番目ぐらいですアハハ」と照れながら、言葉を慎重に選びつつ次のように耳打ちしてくれた。

「6月頃になればもう少し情報が出てきて、新型車としての発表が行われ、お見積りが出せるようになるのはおそらく7月頃になるはずです。上海でのロックダウンの影響で部品が滞っており、スケジュールが後ずれする可能性もあります。クラウンのようなおクルマは、モデルチェンジすると自動的に乗り換えるようなお客様もたくさんいらっしゃるため、そのようなお客様からのご注文を頂戴する可能性が高いこと、現在のサプライチェーンの混乱を踏まえると、納期が数ヶ月から半年かかる可能性は十分にあります」。

■デザインはBMW3シリーズグランツーリスモ似⁉️

ベストカーが製作した新型クラウンの予想CGイラスト
ベストカーが製作した新型クラウンの予想CGイラスト
ふとMIRAIを見ると4ドアクーペのスタイル。この姿にクラウンを重ねるのか
ふとMIRAIを見ると4ドアクーペのスタイル。この姿にクラウンを重ねるのか

 注目のデザインについても、ガードは固かったが情報を得ることができた。

「デザインは、実車を見たわけではありませんし、何の公式情報を持っているわけでもありませんが、BMWのX4やX6のようにルーフが後部になだらかに下がっていくいわゆるSUV的なデザインで、前から見るとアウディA5をイメージさせるような外観だと聞いています」

BMW X4のデザインは、SUVライクなセダンというよりも明らかにクーペライクなSUV
BMW X4のデザインは、SUVライクなセダンというよりも明らかにクーペライクなSUV

「SUV的なデザイン、ということは、やや車高も上がり乗降性が悪くなる部分もあるかもしれず、また後部座席に座るパッセンジャー重視というよりは、ハンドルを握るドライバー重視になるのではないかという印象をどうしても持ってしまいますが、これまでクラウンに乗り続けてきたやや年齢層の高い人たち、特に後部座席に座るような人たちがそのパッケージングだと拒否感を示したりしないのですか?」とさらに伺ったところ、

「まさにそこが、これまでクラウンをお客様に継続的にお納めしてきた我々販売現場が心配しているところなのです。個人的には『新型クラウンはSUVそのものであるBMWのX4やX6に似ている』というよりは、むしろBMW3シリーズのグランツーリスモのようなクルマであることをイメージしてお客様とお話ししています。

 つまり、4ドアセダンの文脈を残したまま、リアハッチゲートの開口部が大きくなり、車高がやや上がって見切りが良くなり、車内空間も広がり、乗降性の悪化も限定的で、ボディサイズも大きくなりすぎず、運転しても楽しく、後ろに乗っても快適なクルマが新型クラウンだと思っていただきたいです」という答えが返ってきた。

 ちなみにBMW3シリーズのグランツーリスモとは、セダンなのにクーペのようなスポーティかつスタイリッシュな外観を持ち、セダンよりも積載量も多く、3シリーズで最も広い室内空間を持つ、カッコよさと機能性の両方を同時に満足させようとした欲張りなモデル。

 2013年のジュネーブショーで初公開され、「セダンにプラスアルファが欲しい、だけどステーションワゴンはフォーマルでなく機能的すぎかつ色気がなくてイヤで、運転して楽しくなく燃費の悪い巨大なSUVはいらない」という層にはアピールしたが、2020年以降は3シリーズのラインナップから外れてしまった。だがまさに、新型クラウンが狙う顧客層はそこなのだろう。

セダンよりも高い車高とヒップポイントによる見切りの良さ、クーペのようなスタイリッシュな外観、後席を倒すと大きな荷物も飲み込む搭載性の良さといいとこ取りを狙った3シリーズグランツーリスモ
セダンよりも高い車高とヒップポイントによる見切りの良さ、クーペのようなスタイリッシュな外観、後席を倒すと大きな荷物も飲み込む搭載性の良さといいとこ取りを狙った3シリーズグランツーリスモ

 建前としてはまだ営業マンも実車は見ておらず、何も公式な情報もない、はずなのだが、お客さん思いの心のキレイな熱血営業マンに限っては、心の中に新型クラウンのエクステリアイメージがどこからともなくふつふつと降霊してくるのかもしれない……。

 営業マンの口からは3シリーズのグランツーリスモのようなスタイル……という話が出たが、これまでベストカーwebが報じてきたクラウンの4ドアクーペ説と辻褄が合う。

 これまで報じてきたクラウン4ドアクーペを改めて紹介しよう。プラットフォームはTNGAのFF用GA-Kを採用し、パワートレインは2.5L、直4のハイブリッドと2.4L、ガソリンターボの2種類。エントリーモデルはFF、そのほかのグレードにはハイブリッドはE-FOUR、ガソリンターボは電子制御のダイナミックトルクベクタリングAWDを採用する。

 ここにきて、驚きの情報が入ってきた。現在、絶賛発売中のベストカー本誌2022年6月10日号(5月10日発売号)によると、クラウンSUVは販売サイドの反対により開発が凍結。代わりに浮上してきたのが、なんと現行FRのプラットフォームを流用したFRクラウンの開発が急遽決まり、2025年頃に発売されるという。

 クラウン4ドアクーペの発表は6月のままで変更はないという。詳細はベストカー本誌を購入して読んでいただきたい。

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