ミニシリーズのフラッグシップモデルとしてラインアップされているジョン・クーパー・ワークス。1950年代〜1960年代にかけてレースシーンを席捲したジョン・クーパー氏の名が冠された、シリーズ最強のハイパフォーマンスモデルだ。日本では2018年5月からマイナーチェンジモデルが販売されている。
その実力はいかなるものか? 韓国のサーキットでベストカー編集部員が徹底試乗!
文/ベストカー編集部・林眞人
写真/BMWジャパン
初出/ベストカー2018年9月10日号
■韓国でJCW(ジョン・クーパー・ワークス)一気乗り!
ミニのフラッグシップであり、シリーズ最強のハイパワーバージョンである「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」。その走りを韓国のインジェ・スピーディウムで開催された「ミニJCWチャレンジ」で体感してきた。
F1の歴史で、初めてミドシップのマシンを開発し優勝した名エンジニア、ジョン・クーパーの名を冠したJCW。1960年代にはクラシックミニでモンテカルロラリーに参戦するなど、レースのなかで速いミニであることを第1にモデルを開発してきた。そんなJCWが開発した最新モデルが、今回の3台だ。
ミニクロスオーバー ジョン・クーパー・ワークス
3台ともエンジンは吸排気系、タービン、エンジン内部など専用パーツを採用し、231ps/32.6kgm(クラブマン、クロスオーバーは35.7kgm)というハイパフォーマンスを誇る2L直4直噴ターボを搭載。
日本仕様では、トランスミッションは6速MTと8速ATが用意されているだが、今回試乗した韓国仕様は6速AT。2019年に8速ATを投入する予定とのこと。
さて、走りのほうだが、先導車ありではあったものの、ターボラグなく吹け上がるエンジンのおかげで、最高速はホームストレートエンドで170㎞/hを超える。そこからの1コーナーへの進入では、下り勾配で回り込むコーナーのため、ブレーキングでリアが浮き気味になり、軽いテールスライドをしながらのコーナリングとなる。
ミニクラブマン ジョン・クーパー・ワークス
通常であればかなり心拍数が上がるシーンだが、JCWは躊躇なく飛び込むことができる安定感と、コントロール性が両立されており、クルマが自分の思ったとおりに動いてくれた。
「ミニ=ゴーカートフィールというイメージがあるが、最新のJCWではあえてダルさを加え、そのフィーリングを変えたと、ジョン・クーパー氏の孫で、JCWブランドの開発チームであるチャーリー・クーパー氏は語った。
ミニ3ドア ジョン・クーパー・ワークス
その狙いどおり高めの縁石に乗せてもしっかりとストローク量を確保したサスペンションがしなやかに吸収、神経質な動きもなく構えずに運転ができる懐の深さを感じることができた。
3ドアに比べて、車高が上がるクロスオーバーはロールも大きく、ゆったりした印象はあったものの、ブレーキやタイヤを含め、そのままサーキットを楽しめる高いレベルにまで作り込まれており、高い趣味性を求めつつも、1台で何でもこなしたいと思っている人にはうってつけだろう。
ジョン・クーパー氏の孫 チャーリー・クーパー氏も登場!
【ミニ3ドア・ジョン・クーパー・ワークス・日本仕様】
■価格=8速AT、450万円(6速MTは432万円)
■全長×全幅×全高=3875×1725×全高1430mm
■ホイールベース=2495mm
■車両重量=1290kg
■エンジン=直4、1998ccターボ
■最高出力=231ps/5200rpm
■最大トルク=32.6kgm/1450〜4800rpm
■0〜100km/h=6.4秒(6MTは6.3秒)
■JC08モード燃費=15.8km/L(6MTは14.5km/L)
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