■GT-Rはスカイラインの名を捨ててよかったのか?
その後、紆余曲折があったが、水野和敏さんが開発責任者となり、第3期GT-Rの開発がスタートする。そして2007年10月に正式発表され、12月に販売を開始した。
それまでのGT-Rと違うのは、スカイラインをベースにしていない専用開発のスーパースポーツモデルであることだ。ボディパネルもメカニズムもスカイラインと共通するパーツはない。だからスカイラインの名を外し、ニッサンGT-Rと命名した。
高価なカーボン素材を用いるなど、最先端テクノロジーを駆使し、エンジンは専用設計となる3.8LのVR38DETT型V型6気筒DOHCツインターボだ。これにゲトラグ製のツインクラッチ6速DCTを組み合わせている。
ミッションを後方にセットするトランスアクスルを採用し、注目を集めた。サスペンションはダブルウイッシュボーンとマルチリンク、駆動方式はフルタイム4WDの進化型アテーサE-TSだ。ボディを含め、多くが専用設計となっている。が、2+2レイアウトを取り、丸型テールランプも受け継がれた。
ただし、スカイラインGT-Rが基本的に国内専用モデルだったのに対し、ニッサンGT-Rは、日本だけでなくグローバルで販売を行う。世界に飛び出し、飛び抜けて高い実力を強くアピールしたのが最新のGT-Rである。
スカイラインの名を捨てたGT-Rの成功はもはや誰もが知るところ。世界最強のマルチパフォーマンスカーとして、日産いや日本車の名を高めてくれた功績は大きい。
しかし、スカイラインにGT-Rの名が付かなくなってしまったことに対し、一抹の寂しさを感じるのは私だけであろうか……。
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