タイヤの空気圧は月に1回の点検をすることが推奨されている。とは言ってもガソリンスタンドで給油待ちの列があれば、悠長に空気を入れるのも気が引ける。
しかし、あの猛暑から一転、冷え込みも顕著になってきたこの秋に、実はタイヤの内部には大きな変化が起きているという。
この季節にこそ空気圧点検を!! その理由に迫ります。
文:国沢光宏/写真:Adobe Stock
ベストカー2018年11月10日号
■秋は夏場より10%程度空気圧が低くなる
よく「秋になると気温が低くなるためタイヤの空気圧も下がる。点検を」と言われるけれど、果たして本当か?
結論から書くとそのとおりです。以下、キッチリ紹介したい。
まず夏に空気圧を合わせたとしよう。夏場の路面温度は軽く50℃以上になります。タイヤの中の空気も50℃以上。
どういった空気入れを使って入れるかで分かれるけれど、注入する空気温度もおおよそ50℃とする(コンプレッサーだと温度は上昇する)。となるとタイヤの中に入ってる空気の温度は50℃。
50℃の空気で250kPaに合わせた、と思ってほしい。秋を迎え気温が低くなり、タイヤの中の空気温度が20℃になったとしよう。
この時、空気圧はどうなっていると思いますか? 温度下がれば体積少なくなっていく。何と! 10%減の225kPaくらいになっているのだった。
200kPaなら180kPa。10%低くなると、制動性能やハンドリング、燃費などに影響出てくる。夏場に合わせた空気圧は、涼しくなったらチェックすべき。
■空気圧のチェックは車載のツールで出来ることも
ここからが本題。空気圧をチェックするのに皆さんどこでやりますか? おそらくガソリンスタンド(GS)かと。
なるほどGSに行けば空気入れあるため、簡単にチェック可能。ほかに方法なければGSでいいだろう。
ただタイヤの指定空気圧は「冷間」となっている。冷間とはタイヤに熱を入れない状態。気温20℃であれば、20℃の時の空気圧ということになる。
一方、GSに寄る時は、基本的に暖まった時。天気よければ路面温度も高い。ということでタイヤの空気圧は、クルマを動かす前に測らなければならない。
ここまで読んで多くの人は「自宅だと自転車用の空気入れしかない」と思うことだろう。どうしたらいいか?
もし自分のクルマがスペアタイヤ積んでいなければ、基本的にパンク修理剤セットを搭載してある。見たことないというならぜひチェックしてみてほしい。
基本的にパンク修理剤と、シガーライター電源使って稼働させる電動空気入れのセットになってます。
メーカーによって違うのだけれど、トヨタ車の場合、パンク修理液剤のパックを経由しないと空気入れにならないが、マツダなどは純粋なエアゲージ付きの電動空気入れになっている。
そのまま空気入れとして使えるから超便利。よい機会なので自分のクルマに搭載されている修理キット使って空気入れられるか試してほしい。もし使えるのなら、クルマに乗る前に空気圧を基準に合わせればいい。
修理キットの空気入れを単独で使えないメーカーのクルマや、スペアタイヤ車や、ランフラットタイヤ車は、電動空気入れを買ったらどうだろう?
ここにきてさまざまなタイプの空気入れが出回っている。先日私が買ったのは電池内蔵式。充電しておけば、シガーライター使わないで充填できる(シガーライターだと4輪の空気入れるの超面倒だったりする)。
価格も4000円くらいで買えるため、自分のクルマに積んでおくと気が向いた時に使えます。
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