“デザイン重視”で縦型ハンドル採用の現行車も
それなのに、現行型でも横開きドアに縦向きのドアハンドルを組み合わせる車種がある。
ヴェゼルやスイフトの後席側のドアだ。これは外観を2ドアクーペ風にスッキリと見せるため、ドアハンドルをリアサイドウインドウの後ろ側に、リアピラー(柱)と一体に見えるように装着している。
この位置でドアハンドルを横向きに付けるのは難しく、縦向きにしたが、前述のとおり使いにくい。しかも、ヴェゼルやスイフトでは高い位置に装着されるから、背の低い子供は一層使いづらくなってしまう。機能性や実用性を犠牲にして、デザイン性を優先させた。
機能性とデザインの鉄則表わすドアハンドルの向き
このように見てくると、縦向きのドアハンドルは、手動で素早く開閉する商用車のスライドドアだけに相応しい。
家屋のスライドドア、つまり「引き戸」に使われるドアハンドルも、大半が縦向きで横向きはほとんどない。力を入れにくいからだ。一方「開き戸」のドアハンドルには、縦向きと横向きの両方が使われる。
デザイン性だけで採用され、機能的な必然性の乏しい装備やデザインは、短期間で終わってしまう。ドアハンドルの縦向きと横向きは、この鉄則を端的に表現している。
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