3シリーズの好敵手【2】/R33型スカイライン
E30からバトンを受け、3代目の3シリーズが登場するのは1990年だ。スカイラインの真のライバルに成長したのが、このE36型である。
主力の325iは直列6気筒DOHCエンジンを積むが、スカイラインで直接のライバルとなるのは1993年に登場する9代目のR33系だろう。
特にGTS25は、性能面でも大差ないレベルにある。どちらのエンジンも秀作だが、フラットなトルク感、高回転のドラマチックなパワー感、サウンド、変速フィールなどで一歩上をいくのは325iだ。ターボはリニアチャージコンセプトを採用したこともあり、扱いやすいが、ワクワク感が薄いのである。
ハンドリングは、正確でシャープな意のままの操舵フィールがスカイライン、トレース性に優れ、自然体な動きなのが325iだ。バランス感覚に優れ、乗り心地も一歩上をいくなど、こちらもツーリング性能が高い。運転がうまくなったかな、と感じるほど自然な操舵フィールである。セントラルアームと呼ぶマルチリンクのリアサスペンションもしなやかさが光っていた。この勝負、ちょっとの差で3シリーズの勝ちだ。
が、スカイラインGT-Rと3LのDOHCストレート6エンジンを積むM3となると、猛々しさはGT-Rに分がある。M3のハンドリングは洗練され、大人っぽいが、GT-Rのような刺激は薄かった。
3シリーズの好敵手【3】/アルテッツァ
これに続くE46系の3シリーズは1998年に登場した。
E36系の正常進化だが、2000年に直列6気筒エンジンを新世代のM54系に換装している。デビュー時は乗り味に渋さが残ったが、シャシーやサスペンションに手を入れた後期モデルは上質な乗り味だ。ステアリングのギア比も変更され、さらに気持ちいいハンドリングを手に入れた。
この時代のライバルはアルテッツァだろう。レクサスではIS300を名乗っている。直列6気筒DOHCに加え、日本には2Lの直列4気筒DOHCエンジン(3S-GE型)を積むRS200が用意された。
FR車らしいリアの挙動と絶妙なバランス感覚を実現しているのが3シリーズである。グリップバランスがよく、剛性感もたっぷりだから頼り甲斐があり、グランドツアラーとしての味わいも奥深い。
アルテッツアは素直なハンドリングだが、乗り味に深みがなく、荒れた路面での乗り心地も今一歩だ。4気筒エンジンの高揚感、6気筒エンジンの上質感も3シリーズが一歩上をいく。同じ時代に登場したV35型スカイラインと比べても大人っぽい上質な乗り味だった。
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