バッテリーの劣化は? 買い取り額は? 中古のEVを買っても大丈夫???

■BMW i3とテスラの中古車価格は?

 続いて輸入車を見てみたい。まだ輸入車の中古EVはBMW i3が40台、テスラモデルSが20台と流通台数が少ないため、参考程度と考えてほしい。

 BMW  i3レンジエクステンダーは1年落ちの2017年式で60.2%(329万円)、3年落ちの2015年式では49%(267.8万円)。

 そして1227万円のテスラモデルS100Dは、1年落ちで80.9%(993万円)。テスラモデルSの1年落ちは平均水準級といえるが、BMW i3は大幅に下回っている。こうした数字から考えられるのは、中古EVはまだ人気がなく、価格は割安ということがわかる。

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■EVは中古車で購入したほうがお得なのか?

 今回、調査した結果、EVは中古車価格や下取り価格が安く、中古車購入においても不安が残ることがわかった。

 新車でEVを購入して手放すと驚くような安い買い取り価格が提示される可能性も高いため、新車でEVを購入した人は乗り潰す気持ちで所有しつづけるほうがよいだろう。

 EVを新車で購入するときは、国や自治体の補助金の交付を受けることができる。これをCEV補助金と言われるのだが、その金額はリーフやテスラで40万円。BMW i3は39万円。VW e−ゴルフは約30万円となっている。

 しかし、この補助金を交付されると、一定期間保有しなければならない義務が発生するのだ。

 一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページによると、補助金を受けて取得したクリーンエネルギー自動車は、原則として、定められた期間(3年ないし4年)は保有することが義務づけられます、と書かれている。

 しかも、無断で売却できないように、定期的に補助金を交付した車両の保有状況を調査するとも書かれているのである。

 すなわち、補助金でEVを購入すると、簡単には手放すことができなくなるということだ。もし、手放す場合は次世代自動車振興センターに届けを出して、補助金を返納しないといけなくなるというのだ。

 しかし、EVを中古車で購入する場合は、こうした補助金を利用することはないので、購入して、もし満足できない場合は簡単に手放すこともできるので、まずEVを試すのならば、中古車のほうが得策かもしれない。

■中古EVで気になるのはバッテリーの寿命!

現行リーフは40kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は400km。急速充電では約40分でバッテリーの80%を充電可能

 中古EVにとって、最も気になるのがバッテリーの劣化だろう。現行リーフのバッテリーの寿命は、8年/16万kmの容量保証を行っている。これはその期間内に明確なバッテリーの劣化が見られれば新品バッテリーへと交換するもの。

 それならば、幾分か安心感はありそうだ。もちろんその保証期間をすぎれば基本的にバッテリー交換は有料になる。

 バッテリーの寿命は、充電の仕方や使う頻度によって変わるといわれている。やはり、急速充電を頻繁に使用しているバッテリーよりは家庭用200Vで充電しているバッテリーのほうが寿命は長いといわれている。

 さらに週末に買い物程度しか乗られていないクルマより、毎日乗られて充電されているバッテリーのほうがコンディションはよいとされている。

 しかし残念ながら、店頭に並んでいる中古EVは、前オーナーがどのように充電していたかはわからない。このポイントが中古EVの難しいところといえる。

 リーフの場合、システムバッテリーは12個のバッテリーの集合体となっており、ディーラー系販売店が扱っている中古車に関しては、バッテリーの容量がチェックされている。

 これが9個になると、走行距離は半分にまで落ち込むと言われている。その際、バッテリーの交換料金は新品で60万円必要となる。

 オーナーの声では、10万kmを超えてもまったくバッテリーに問題はないという書き込みが多く見られるが、やはり内燃機関以上にEVは充電方法や使用頻度によってバッテリーの性能差は大きいと考えられる。

 結論としては、中古EVは価格の安さが魅力だが、その反面、バッテリーの劣化に不安が残るのでバッテリーの劣化が起きていないか、チェックすることが必要。ディーラー系販売店で、しっかりメンテナンスを受けたクルマを選びたい。

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