■誤給油を予防するには?
予防策として自分のクルマがディーゼルであれば、自分は誤給油しなくても他人にクルマを貸す時には、給油のことなど十分注意するようキチンと話してから渡すことも大事だ。
フューエルリッドの裏や燃料キャップなどに分かりやすい軽油のステッカー(量販店で販売している。ディーラーオプションなどでもある)を貼っておくのも手だ。
■軽自動車にハイオクガソリンを給油しても大丈夫?
ちなみに軽自動車はガソリンエンジンだから、燃料は当然、ガソリン。レギュラーガソリン指定だが、誤ってハイオクガソリンを給油しても問題はない。
ハイオクはレギュラーよりも清浄剤が多く配合されており、吸気バルブ周辺のデポジット(燃え残りの堆積物)を少しずつ解消させるため、シリンダーヘッドの吸排気ポートや燃焼室のクリーニングをするつもりで時々ハイオクを給油して高速道路を走るのもエンジンの好調さを保つにはいい方法だ。
逆にハイオク指定のクルマにレギュラーガソリンを給油してしまった場合、エンジンの力強さが若干低下するくらいで、深刻なトラブルになることはない。輸入車の場合、エンジンの調子が今一つになることもあるが、その場合もハイオクガソリンを継ぎ足してやれば解消する。
■あちゃ〜! 私の誤給油体験談
何を隠そう筆者も若かりし頃、給油を間違えて失敗したことがある。1回目は高校1年生の夏休み。ガソリンスタンドでアルバイトをしていた頃、お客さんが乗ってきたスーパーカブに誤って軽油を給油してしまったのだ。
その時には、給油中に気が付いて、タンクから抜き取ることで事無きを得たが、セルフ給油ではなかった頃でも、新米のバイトがやらかしたこととして、たまにニュースになるような出来事だったから、当時からこうしたトラブルは起きていたのだ。
2回目は自分のバイクに、間違えて灯油を給油してしまったことがある。自宅で保管している発電機用のガソリンと間違えて、洗い油用の灯油を2サイクルのミニバイクに給油してしまったのだ。
これは1L程度しか入れていなかったのだが、走行中に徐々に調子が悪くなり、やがて普通の2ストバイクとは比べ物にならないほどの白煙がマフラーから吹き出し、エンジン回転が上がらなくなるなどさらに調子が悪くなっていった。
石油ストーブの不完全燃焼と同じ臭いだったので、すぐに間違いに気付き、ガソリンスタンドでガソリンを満タンにして灯油を薄めたのだが、それから数カ月間は石油ストーブのような臭いが排気ガスから消えなかった。
これは構造の簡単なキャブレターの2ストバイクだったから、ガソリンを入れるだけで自然治癒(?)したが、4ストのインジェクションであれば事態は変わってくる。
触媒付きのクルマやバイクでは、深刻なトラブルになる(触媒交換となると、修理費用は相当かかる)から、ガソリン車に軽油や灯油などを混入させてしまうようなトラブルは絶対に避けたい。そしてディーゼル車には絶対にガソリンを給油しないよう、気を付けたい。
■うっかりミスが30万円以上かかる場合も
誤給油の行為自体は簡単に行えてしまうが、やってしまったら札束が確実に飛んでいく。比較的早く気づいた場合には、燃料タンク内の洗浄、フューエルポンプ交換&プラグ交換(3万〜5万円)程度で済むが、気づかずに走り続けた場合は燃料噴射ノズル(インジェクター)の交換で10万円以上。
エンジンが完全に止まってしまってかからない場合などは、これらの修理に加え、ライン洗浄、シリンダーヘッドのオーバーホールなど30万円以上かかる場合もある。うっかりミスが重大な修理につながるので、本気で注意をお願いしたい。
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