5%と8%で天国と地獄!?消費税増税前夜

5%と8%で天国と地獄!?消費税増税前夜

エコカー減税車は早めに買うしかない

 消費税増税と、それと引き替えのように施行される自動車取得税の引き下げやエコカー減税の充実化。耳にタコができた読者も多いことだろうが、やっぱり消費税の3%引き上げは影響がデカい。買うなら3月中納車がトクに違いないのだ。

いっぽう、昨年末から今年初めにかけて魅力的な新車が続々登場した。本来なら、たっぷり比較検討してクルマを選びたいところだが、そんな悠長なことは言っていられない状況だ。

 特に燃費がクルマの重要な要素となっている昨今、人気車のほとんどがエコカー減税対象車。となると、何度も言われているように自動車取得税の引き下げ効果は薄い。免税車にいたっては、まったく意味をなさない。とにかく買うなら3月までだが、当然ながら人気車ほど納期が長いから間に合わないクルマが続出している。値引きが渋くても動くなら今だろう。

 この取材は発売日の約2週間前に行っている。取材時点で3月納車が可能でも、もう間に合わなくなるケースがあるかもしれない。そんな逼迫した状況なのだ。

消費税5%と8%ではこんなに違う?

 スバルの人気車XVハイブリッド。ハッキリ言って、3月納車はもうムリ。昨年3月期に史上最高の決算を計上したスバルは、今期もその勢いは続いている。さらに、社運をかけて4月に投入するニューカーのレヴォーグの前評判が高く、発売時点で納車遅れがないようにと工場ではレヴォーグの生産を積極的に進めているとの情報もある。現行で人気のXVハイブリッドやフォレスターといったモデルの生産が遅れているようだ。ディーラーの最前線では、「売れるのにクルマが間に合わない」という嬉しい悲鳴が聞こえる。

 さて、3月納車が不可能なXVハイブリッドだが、ムリと言われりゃなぜか諦めきれないのが人情。スバルディーラーでは、すでに消費税8%で見積もりしているが、ムリに頼んで5%の見積もりをもらった。もしかしたら、日本のどこかに在庫車があって、幸運にもそれをゲットする時を想定しながらだ。2・0i│Lアイサイトは、税抜き価格で260万円。消費税5%の本体価格278万2500円、8%になると286万2000円でその差は7万9500円。約8万円違ってくる。

 さらに、自動車取得税と1回目の自動車重量税は免税だから影響はないが、3月納車と4月納車では購入時に支払う自動車税が違う。3月に納車されると月割りの自動車税は払わなくてすむが、4月では定額3万9500円の12分の11で3万6200円がかかる。これは数字のマジックだが、購入時の合計支払い額で万7500円の差となるのだ。

 ただし、自動車税と自動車重量税は4月以降購入がおトク。ハイブリッド車の場合、2年目に支払う自動車税が現行50%から75%減税となり、2回目の車検時に支払う重量税が免税される。自動車税は端数を調整するが4月以降で9900円、重量税は7500円減税が増える。もし、XVハイブリッドが買えるなら、トータルで6万2000円ほど3月納車のほうがおトクということになる。

8%で市場への影響は?

 この4月から消費税が従来の5%から8%に引き上げられる。逆に取得税は5%から3%に引き下げられる。消費税は車両本体、オプションパーツ、用品などあらゆる費用にかけられる。車両本体でいえば高額車ほど税額が高いので、売れゆきに対する影響度は大きいといえる。100万円の軽自動車は約3万円のアップですむが300万円の上級車は約3倍の約9万円も跳ね上がる計算だ。取得税は多くのモデルがエコカー免税、減税〜%の対象になっているので影響度は小さい。

 しかしながらエコカー免税、減税の対象外であるV6エンジン以上の高級車、上級SUV、4WD車、スポーツモデルなどはこれまで多くがエコカー免税&減税の対象外であったから、この減税措置は販売面でかなりの好材料になる。消費税引き上げ前のほうがクルマを安く買えるので、現在駆け込み需要が発生している。実施になると反動減で大幅なマイナスとなるだろう。

 1997年4月に5%に引き上げられた当時は、年度で100万台以上も減少し、以降の日本経済の冷え込みにつながった。今回はそこまで落ち込まないまでも、かなりのマイナス影響があるのは間違いない。しかしながら当時とは需要構造が違い、エコカー減税、取得税減税、各種補助金支給車もあるのでマイナス影響は半分以下にとどまるのではないかといった見方をする業界関係者もいる。

 また車種、ジャンル、クラスによる影響度合いによって格差が生じる可能性がある。軽自動車は負担額が少なく、相次ぐニューモデルの投入による新車効果でわずかな減少か場合によっては前年並みの実績を確保しそう。登録車は燃費のいいハイブリッドカー、コンパクトカー、ニューモデルが多いSUV、ボックス型ミニバンなどもほかの車種に比べると落ち込み幅は小さくなりそうだ。

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