■予算は8000万円、6社に打診
内閣官房・内閣府・皇位継承式典事務局が検討した結果、第2案の新車購入(オープンカーに改造)の方針で固まり、トヨタ、日産、ホンダ、ロール・スロイス、ダイムラー(メルセデスベンツ)、BMWに打診。結局、BMWを除く5社から提案があり、最終的にトヨタセンチュリーとすることが決まったそうだ。
もう少し詳しい話を聞こうと、内閣官房・内閣府・皇位継承式典事務局に電話で聞いてみたところ、予算は8000万円で、これがセンチュリーベースなのか、御料車のセンチュリーロイヤルがベースになるのか、まだ具体的なことは決まっていないそうだ。また、オープンカーの架装をどこで行うのかについても、これから決めるという。
■新型センチュリーベースのオープンカーをCGで製作
そこで、センチュリーとセンチュリーロイヤルベース、2台のオープンカーをCGで作ってみた。
まず2018年6月、21年ぶりにフルモデルチェンジし、3代目となった新型センチュリーをオープンカーにしたものを見てほしい。
新型センチュリーは全長5335×全幅1930×全高1505㎜の堂々としたボディに5L、V8エンジンベースのハイブリッドシステムを搭載。
先進安全装備「トヨタセーフティセンス」も搭載し、掲げられた新車に求められる要件のほとんどを満たしている。
もともとクローズドボディのセンチュリーの威風堂々としたスタイルはそのままに、オープンカーとしての華やかさが加わり、古式ゆかしい和の美を感じさせる。
■もう1台はセンチュリーロイヤルベースのオープンカー
そしてもう1台は御料車センチュリーロイヤルをオープンカーにしたもの。もちろん新型センチュリーのオープンカーと同じようなオーソドックスなタイプも考えられるが、ほぼ同じスタイルで代わり映えしないので、Bピラーまでは通常のセンチュリーロイヤルのままだが、以降のルーフおよびピラーを透明なポリカーボネートで製作したオープンカーを作ってみた。沿道に並ぶ奉祝者からの可視性を確保しつつ、荒天時の対応やセキュリティの面でも優位性がある。
荒唐無稽に思えるかもしれないが、実際にこのようなボディを持つクルマは、モナコ公国でレクサスLSベースの車両が、アルベールII世大公の結婚パレードの際に使用されている。ルーフは着脱できるため祝賀御列の儀当日の天候がよく、さらに万全の警備体制が敷けるのならばルーフは外してもいいだろう。
さて、まだ現段階では新天皇のパレードカーが、センチュリーベースになるのか、センチュリーロイヤルベースになるのかわからない。
ちなみにセンチュリーの価格は1960万円。センチュリーロイヤルは、天皇皇后両陛下が乗車する標準車(ナンバー「皇1」)で1台5250万円。防弾性能等が強化された国賓接遇用の特装車(ナンバー「皇3」、「皇5」)で1台9450万円。
センチュリー、センチュリーロイヤル、いずれもオープンカーに架装しても8000万円の予算内に収まりそうだが、現実的な線を突き詰めていけば、やはりセンチュリーベースとなるだろうか。
2019年10月22日に行われる祝賀パレードでは、センチュリーのオープンカーとともに、奉祝者に、にこやかに手をお振りになる天皇皇后両陛下のお姿を早く拝見したいものだ。
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