BMW 怒濤の大攻勢のなぜ?(1)〜モジュール戦略〜

BMW 怒濤の大攻勢のなぜ?(1)〜モジュール戦略〜

BMWグループの「Number ONE」戦略

 BMWのこれでもかというほどの怒濤のニューカーラッシュに驚かされる。なぜこれほどまでにラインアップを増やし続けるのか?その根幹にあるのが販売拡大戦略である。BMWグループでは「Number ONE」をいう経営戦略を2007年に策定し、2016年までにBMW、ミニ、ロールスロイスを合わせて世界販売台数200万台の販売達成の目標に掲げている。

 実際、BMWの業績は過去10年間を振り返ってみても米国金融危機の影響が大きかった2008年、2009年こそ厳しい結果だったが、それ以降の販売台数は伸び続け、2013年にはBMW、ミニ、ロールスロイスを合わせた世界販売台数は196万3798台と3ブランドすべてで過去最高を記録した。

 BMW単独でも165万5138台(+7・5%)と過去最高の販売台数である。このままいくと2014年か2015年には前倒しで達成するだろう。

モジュール戦略

 2012年の決算発表の場で、BMWグループのノルベルト・ライトホーファー会長は2013年には11車種、さらに2014年末までにその11車種を含めて合計25のニューモデルを投入すると明らかにした。このうち10モデルはまったくのニューフェイスというのだから恐れ入る。

 BMWの車種数は2005年には24モデルしかなかったが、2015年には46モデル、20年には60モデルにまで拡大していくという。それを可能にするのが、部品を共用化し、同じものを使ってデザインや寸法を変えて異なるものを造るモジュール化だ。

 BMWは今後もモジュール化を進めていくが、車体デザインや寸法に関しては差別化を図る。車種を増やしてユーザーにより多い選択肢を提供し、経費を抑えながら販売台数を増やしていく。

 しかし原価低減が主たる目的ではなく、いいものをひとつしっかりと作り込んでから、それを広く共用して、いいクルマをたくさん造っていこうという考え方だ。

BMW X4
今秋発売予定のBMW X5

販売台数が伸び続ける理由はどこにあるのか?

 さて、日本でもBMWの伸長ぶりは目を見張る。BMWブランドは4年連続で伸長し、2013年には過去最高の4万6037台を達成した。

BMWジャパン幹部によると、

 「BMWジャパンでは、本国で新車が発表されてから、約2〜3カ月後には日本で販売しています。これは最初の生産から、右ハンドルの日本仕様を後回しせずに生産しているから、早く日本に導入できるのです。話題の冷めないうちにタイムリーに日本に投入する、これは大事なことだと思っています。

 また、生産工場がある国には、市場投入前にその国に合った仕様の調査、テストをするエンジニアオフィスがあるのですが、日本には生産工場がありません。しかし千葉にエンジニアオフィスを構えています。

 またナビはドイツで装着していますが、世界一厳しいといわれる日本のお客様なので外装を徹底的にチェックする新車整備センターをもっていますし部品センターも関東と関西に2つのパーツセンターをもっています。

 BMW本社は要求の高い日本のお客様に満足していただければ、全世界のお客様に喜んでいただける、そんな考え方で日本を重要視しています。日本の機械式駐車場事情に合わせて3シリーズの全幅を1800mmに変更したり、ミニクロスオーバーやi3の全高を1550mmにしたのも我々の要望を本社が応えてくれた結果です」

(続く)

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