吉野家や全農食品、キューピーのオンラインショップや、アパレルメーカーのアダストリアなど、ヤマト運輸の物流ネットワークを活用しサプライチェーンの効率化を図る企業が拡大している。
タイヤメーカーのミシュランも2022年9月にヤマトHDとリードロジスティクスパートナー契約を締結し、物流改革に乗り出した企業の一つだ。両社では物流改革共同プロジェクトを立ち上げ、昨年から一部運用を開始してきたが、2023年1月10日より本格運用が始まった。
文/フルロード編集部、写真/ヤマト運輸
物流改革共同プロジェクトの概要
物流改革共同プロジェクトはミシュランの物流体制をヤマト運輸に一元化するもので、物流と在庫を最適化することで、ロジスティクスコストの削減や出荷リードタイムの短縮を目指している。具体的には、
1.約20拠点あった倉庫を5拠点に集約。各拠点の在庫の可視化・最適化により、東西の中央倉庫から地域倉庫への在庫転送量の極小化を実現する
2.ヤマトの輸配送管理システムを活用したオーダートラッキングにより、配送状況のトレースを可能にする
3.ヤマトのデジタル送り状を採用することで、業務効率化とペーパーレス化を促進
4.ヤマトの倉庫管理システムで、全ての在庫タイヤの製造年度を一本単位で管理することで、FEFO(使用期限が近い製品から先に出荷)を実現。また期限切れによる処分を極小化することで環境問題に貢献
といった内容だ。
ミシュランの伊勢崎倉庫から初出荷
本格運用を開始した1月10日には東日本の中央倉庫である伊勢崎倉庫から初出荷が行なわれたが、今後はミシュランタイヤの製造過程でタイヤに付帯するRFIDタグを活用する在庫管理を始めとした倉庫運営が行なわれる見込み。
また、荷受け・ピッキング・出荷作業・棚卸などを省人化し生産性の向上を目指すほか、ヤマトの輸送管理システムと連携させ、注文したタイヤの配送状況を顧客が確認出来る仕組みの導入も検討されている。
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