UDトラックスは群馬県太田市にある群馬部品センターの建屋屋根および外壁に同社初の遮熱塗装を施した。施工後、夏場の屋内温度が最大で10.5度低下し、年間の電力使用量が10%減少したそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/UDトラックス株式会社
倉庫内の温度低下で作業環境を改善
2023年2月7日、UDトラックスは群馬部品センターで倉庫屋根・外壁へ遮熱塗装を施した結果、室内温度の低下による作業環境の改善と、エネルギー消費の削減により環境負荷低減を実現できることを確認したと発表した。
群馬県太田市の群馬部品センターは、UDトラックスのアフターマーケット部品を国内外に流通させる物流ハブとして機能している。その建屋に同社初の遮熱塗装を施したところ、夏場の屋内の最高温度が施工前と比較して最大10.5度低下した。
これにより電力使用量は年間で10%減少し、作業環境の改善とCO2排出量の削減に貢献する。
近年、世界各地で気温は上昇傾向にあり、温室効果ガス、とりわけCO2の排出量の増加が原因とされる地球温暖化がその大きな一因であるとの認識が広まっている。日本の夏も年々気温が上昇し、群馬部品センターが位置する群馬県太田市域も例外ではなく、2017・2018年は酷暑に見舞われた。
同センターへの遮熱塗装の施工は、このような環境の中で、室内温度が上昇する夏場の倉庫内での作業負担の軽減・エネルギー消費量の削減、建屋の美観回復を目的として実施したものだ。
塗装施工面積は屋根で41,899平方m、外壁で10,123平方mとなる。遮熱塗装施工前の2018年と遮熱塗装後の2021年のデータを比較すると、年間の電力使用量は683MWhから614MWhとなり、89.9%(10.1%の削減)となった。
同一地点の温度測定器で計測した結果、夏場の最高温度は最大で10.5度低下した(2018年7月の38.0度と、2020年7月の27.5度で差し引き10.5℃)。なお、夏場の建屋内の平均温度は2020年6~9月は26.0度、2022年6~9月は26.5度だった。
その結果、電力使用量の年間10%削減を実現するとともに、夏場の平均気温を30度以下で維持できるようになり、作業環境の改善も実現した。