2018年10月18日から受注が開始された新型メルセデスベンツAクラス。A180が328万円、A180スタイルが369万円と、メルセデスのエントリーモデルとしてはお求めやすい価格ではないだろうか。
この価格帯のライバル車といえば、ガチンコ勝負の欧州CセグメントのVWゴルフやBMW1シリーズ。それ以外にもセレナe-POWERやステップワゴンハイブリッドなどの上級グレードやアルファード、ヴェルファイアなど、国産ミニバンと同価格帯でもあるのだ。
そのメルセデスベンツAクラスに公道初試乗! 「ハイ!メルセデス」と呼びかけて起動し、自分の言葉や指先で操作できるMBUXもテストしてみた。どんなクルマに仕上がっているのか徹底チェック!!
文/ベストカー編集部
写真/西尾タクト
初出/ベストカー2019年3月10日号
■デジタル世代にピッタリな新型ベンツAクラス
小さかろうが、最廉価クラスだろうが、やっぱりベンツはベンツなのだなぁ、と実感させられた。新型Aクラスは〝Hi Mercedes〟に象徴される音声認識コマンド、MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)がクローズアップされがちだけど、まずはキッチリとベンツのクルマに仕上がっている、という基本部分を改めて実感させられた。
なんというか、とにかく車体がガッチリしていてスタビリティが高く安心感があり、運転操作に対しドライバーの期待どおりにクルマが動いてくれる。これはCクラスでもEクラスでも、もちろんSクラスでも感じられる、メルセデスベンツ車すべてに共通したテイストだ。
全長4420㎜(AMGラインは4440㎜)、全幅1800㎜、全高1420㎜というボディサイズは決してコンパクトではないが大きすぎることはなく、国産車でいえば全幅を除けばプリウスよりも小さく、アクセラスポーツに近いサイズ感。街中での取り回しは国産同クラスの感覚。全高が低くスタイリッシュな印象だ。
室内、特に後席の居住性が心配だという人もいるだろう。身長176㎝のボク(ベストカー編集部梅木)が座ってみると、前席背もたれの膝が当たる部分がえぐり取られる形状をしていることもあり、膝が当たることはない。
また頭上もコブシ1.5個ぶんの余裕があり、狭さを感じることはなかった。後席はフロアが意外と低いこともあり、腿がしっかりと座面に密着する姿勢となるためスッと包まれるような着座感で長時間のドライブでも疲労は少なそうだ。
■「ハイ、メルセデス」と呼びかけると、ちゃんと反応してくれた!
さっそく「ハイ、メルセデス」と呼びかけてMBUXを起動し、目的地を神奈川県葉山に設定。意外とラフな言葉遣いでも認識してくれてストレスはない。
ちょっと室内が暑くなってきたので「ハイ、メルセデス、ちょっと暑いんだけど」と呼びかけるとエアコン温度を下げてくれる。
日本語の方言をちゃんと認識するのか気になっていたので、関西弁で話してみた。「ちょっと暑いんだけど」のちょっと馴れ馴れしい標準語の場合では、「暑い」の単語に反応している。
「めっちゃ暑いねんけど」「ごっつ暑いやん」といった関西弁で話してみると「暑い」の単語に反応して、温度を下げてくれた。
地域によって語尾が違う方言でも対応はするとのことだが、完全に発する言葉が違う方言については認識しないのは当然といえば当然か。言葉が通じない場合は、「もう一度お話しください」と返される。
それにしてもワイドな液晶モニターを2連装したインパネはグラフィカルで美しいし、視認性にも優れる。
136ps/20.4kgmを発生する直4、1331ccターボは1500回転あたりから2500回転のトルクが力強く、実用域での加速に不足はない。
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