独特な形状のフォーミュラ
タイヤが剥き出しのF1に対しフロントウィングによってフロントタイヤの前面が カバーされているので、空力的には有利
EVのF1!?大きな可能性を秘めたレース
環境問題に適合させた新シリーズ、新時代を象徴するフォーミュラEの概要が東京モーターショーのプレスデーで発表されると同時に、マシンのSRT-01がアジアで初公開された。
フォーミュラEは電気エネルギーのみを使用するフォーミュラーカーレースで、国際モータースポーツの最新カテゴリーとして、’12年8月にFIAがシリーズの立ち上げを発表。フォーミュラEホールディングスがシリーズを運営し、’14年9月からの開催が予定されている。
シリーズはこれまでにない変則的なスケジュールで、’14年9月から’15年6月までに10都市で開催がスケジューリングされている。パーマネントサーキットの使用はゼロで、すべて公道レースというのが特徴。
環境適合をアピールするために公道レースを敢えて選んでいると事務局側がアピール。残念ながら日本は公道レースの実績がないため、開催地には入っていない。
スパーク・レーシング・テクノロジー社(SRT)がマシンの設計を担当し、パワートレーンはルノーがサポートするSRT-01が東京モーターショーでもお披露目された。シャシーはダラーラ、モーターはマクラーレン・エレクトロニック・システムズ、バッテリーはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、ギアボックスはヒューランド、タイヤはミシュランと、そうそうたるメーカーがシリーズをサポートする。
メンテナンスについてはルノーが受け持つことになる。
初年度となる’14~’15年シーズンは、SRT-01のワンメイクとなるが、2年目のシーズンから参戦チームが独自にマシンを製作・改良することが認められるという。
真上から見ると、リアタイヤ前がカウルで覆われていて、F1とは形状が違うのがよくわかる。
そしてSRT−01のノーズはかなり長い
こちらがSRT-01のコックピット。超複雑なF1のステアリングに対しこちらは最低限の機能。
タイヤはミシュランのワンメイクで、市街地での走行を考慮してオールウェザーとなる。
リアビューはF1に比べるとシンプルなデザイン
ちなみに電気自動車(EV)はガソリンエンジンを搭載するクルマに対してパワートレーンは〝無音〟と表現されるが、実際にはヒュイ~ンというモーター特有の高周波音を発している。フォーミュラEは、一般の乗用車が発する70デシベルよりちょっと大きな80デシベルの音を出すという。
東京モーターショーでの発表会には、フォーミュラEホールディングスのマネージングダイレクターのアルベルト・ロンゴ氏自らが出席し、「フォーミュラEは、世界規模で開催される最初のEVレースとなり、EV技術の発展にも寄与したい。
フォーミュラEは、既存のレースを見ている人たちよりも若い世代をターゲットとしていて、ライブでレースにバーチャルに参加できるシステムを構築したい」と、抱負を述べた。
このSRT-01はまだまだマシンができあがったばかりで、’14年9月北京で予定されている開幕戦に向けてマシンを熟成させていくことになるが、東京モーターショーでマシンが公開された直後にフランスで初の実走テスト。
ステアリングを握ったのは元F1ドライバーのルーカス・ディ・グラッシ。2日間で40周を走行。2日間でたった40周? という感じだが、初テストでは、実際のマシンに搭載される4分の1の容量のバッテリーを搭載していたという。
SRT-01のテストドライバーは前述のディ・グラッシのほか佐藤琢磨選手も契約していて、参戦中のインディカーシリーズのオフシーズンには琢磨も積極的にテストに参加するというから楽しみ。
そして11月29日にテレビ朝日がフォーミュラEを全戦生中継することを発表した。F1はフジテレビがBSとCSで中継しているのに対し、テレビ朝日はBS、CS、地上波の3波一体での完全生中継となるというからレースファンにとってはたまらない。
いっぽうベストカーではテレビに映らないこともレポートしていくので乞うご期待。新世代のEVのフォーミュラレースが待ち遠しい!!
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