三菱ふそうトラック・バスは海外の主要市場でトップシェアを維持するとともに、親会社のダイムラートラック社が2022年の財務目標を達成したことを発表した。FUSOブランドの市場シェアは、インドネシアで41.1%、欧州の3.5~10トントラックセグメントで39.1%など重点市場で堅調で、2023年についても前向きな見通しとなっている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部・三菱ふそうトラック・バス・Daimler Truck
海外の主要市場でトップシェアを維持
三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)は、主要市場での需要回復を受けて、同社の筆頭株主で親会社であるダイムラートラック社が2022年の財務目標を達成したことを発表した。
ダイムラートラックの2022年の連結販売台数(トラック・バス)は520,291台と、前年(455,445台)から14%増加し、そのうち三菱ふそうの「FUSO」ブランドを含むトラック・アジア部門は、前年度比9%増の155,967台を達成した。
トラック・アジア部門の事業セグメントは、FUSOブランドのほか、インドの「バーラト・ベンツ」ブランドでのトラック・バスの開発・製造・販売と、アジア地域における「メルセデス・ベンツ」ブランドのトラック・バスの販売を含む。
インドネシア市場では、欧州排ガス規制「ユーロ4」 に準拠する新ラインアップを投入したことで、FUSOが41.1%のシェアを獲得し、首位を維持した。また、鉱業部門を中心とした需要の回復に支えられ、受注・販売台数は前年を上回った。
さらに、インドネシアのトラック業界において長年の中心的存在である小型トラック「キャンター」 は2022年も小型セグメントでトップシェアを獲得し、引き続き好調を維持している。
欧州市場では、車両総重量3.5~10トンセグメントのトラックで、2021年の実績を2.0%上回る39.1%の市場シェアを達成した。フルモデルチェンジ後の電気小型トラック「eCanter」の受注を2022年第4四半期に欧州市場で開始したことで、サステナブルなラストマイル配送ニーズに応えるブランドとしてFUSOのさらなる活躍が見込まれる。
アジア太平洋地域のその他の主要市場でも販売は順調に推移し、シンガポールでは22.5%のシェアを獲得し、前年比2.2%増を達成した。また、ニュージーランドでは、強い需要や大型トラック「ショーグン」の好調によって、20.1%とトップシェアを維持した(トラックと小型バスの総計)。
両国では新型「eCanter」の市場導入も決定している。