世界的な大手トラックメーカーでオランダ・アイントホーフェンを本拠とするダフは、建設系大型トラックの追加設定とともに、新世代大型トラックラインナップの完成を発表した。
トラックでも電動化が世界的なトレンドとなっているが、あらゆる輸送タスクをこなすディーゼル車の汎用性はまだまだ必要……、伝統メーカーの新世代トラックにはそんな自負を感じる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/DAF Trucks NV
ダフ大型トラックの新世代ラインナップが完成
オランダの大手トラックメーカーで、米国パッカーグループに属するダフは2023年4月5日、建設用の新型トラック「XDC」および「XFC」を発表するとともに、これにより新世代の「XD」「XF」「XG」「XG+」からなる大型車のラインナップが完成したと発表した。
新型トラックは、オフロード性能が要求されながら車両故障が決して許されない架装用途のために頑健性をさらに高めた特別バージョンで、手短に言えば、これによりダフの新世代大型トラックがあらゆる用途に使えるようになったということだ。
ダフは自働車ジャーナリスト等の投票により世界最高のトラックを決める「インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー (IToY)」を2連覇中で、一昨年のIToY2022はXF、XG、XG+に贈られていた。
そして、昨年のIToY2023を受賞したのはXDだったので、ダフの新世代大型トラックは全車両がIToYの受賞車という形になる。
XDCとXFCは、それぞれXDとXFトラックの建設セクター用モデルとなる新型車で、外観としては頑丈なスチールバンパーとブラックグリルが識別点だ。また、スチール製のラジエター保護プレートと、バンパーに深く埋め込まれたメンテナンスフリーのLEDフォグランプが付く。
新世代のXDC及びXFCは最大40センチの高いグラウンドクリアランスを持つ。アプローチアングルは25度で、頻繁にオフロードを走行する用途に適している。フレキシブルな下段ステップはオプション。両車とも8×4と6×4のアクスル構成を準備しているが、最初にローンチするのは4×2駆動とのこと。
厳しい環境でも優れたトラクションを確保するため、XDCとXFCには幅広い低メンテナンスのタンデム車(2軸=4輪駆動車)を用意する。
19トンクラスの軽量タンデム(シングルリダクション)はリーフスプリング式サスペンションとディスクまたはドラムブレーキ、21~26トンのタンデム(シングルリダクション)はエアサスペンションとディスクブレーキを採用する。
重量物用の21~26トン車にはハブリダクションも用意する。アクスルレシオ(最終減速比)も幅広く、3.46:1から7.21:1までを用意し、それぞれの輸送用途に合わせたスペックを選択可能となっている。