自動運転のための装備
路面清掃車としての運行時は、実際に空港制限区域内で行なわれている路面清掃作業と同じく時速20km以下で走行し、路面の砂(セントレアは人工島だが海風で飛来する)や航空機の離着陸時に散乱しやすい降着装置のタイヤ片、その他ゴミなどを清掃する。
自動運転・自動路面清掃のため、車両の走行位置と経路の把握を目的として、GNSS(GPSなどの全地球衛星測位システム)と、LiDAR(ライダー:レーザー光の走査による立体物検知センサー)、赤外線カメラを導入した。LiDARと赤外線カメラはキャブ上に搭載するが、これらを艤装するための改造を新明工業が担当している。
LiDARと赤外線カメラから、車両と接触の可能性がある障害物を検出した際には、クルマを自動停車させる機能もある。なお、現行型の日野・デュトロ市販車には、運転自動化レベル2の成立に必要な機能の一部が備わっていないため、実証実験車には、相応のコンポーネントを実装しているものとみられる。
大型免許必須から「準中免許で運転可能」もめざす
この実証実験では、清掃作業が行なわれる夜間および単調作業下での安全運行と、重複清掃や清掃漏れを抑制による清掃品質や効率向上に関して、自動運転化した際のデータを収集する。
また、現在は中型増トントラックベースの路面清掃車(大型免許が必要)で実施しているセントレアでの路面清掃作業を、準中型免許で運転可能な小型トラックベース路面清掃車に置き換えた際の有用性も確認するという。
実証実験は、5月10日から約3週間を予定している。その結果から、空港制限区域内での高機能路面清掃車の実用化に向けた検討を進める方針だ。
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