■リレーアタックの犯行グループは2~3人であることが多い!
日本防犯設備協会によればリレーアタックの犯行グループは2〜3人であることが多いらしく、日本では昨年5月大阪府守口市で起きたケースが初だったという。
そして昨年9月、同じ大阪府の東大阪市ではレクサスLS500が窃盗団のリレーアタックにより、解錠された盗難未遂事件が発生(犯行グループは逃走)。さらに今年1月にも大阪府茨木市内でリレーアタックによる被害が確認された。
これまでリレーアタックの被害に遭ってきたのは2010年頃に確認された欧州が中心だったのだが、その波がいよいよ日本にも押し寄せてきたと考えるのが妥当だろう。
冒頭で記したとおり、自動車盗難件数自体は減っている。イモビライザーの標準装着以外にも、2001年9月に警察庁と日本損害保険協会を中心に設置された自動車盗難などの防止に関する官民合同プロジェクトチームの取り組みが成果を上げたことも背景にはある。
■自動車メーカー側の対策は?
ここでは各メーカーによるリレーアタック対策についてみていきたい。まずはトヨタとスバル。スマートキーのドアロックボタンを押しながら解錠ボタンを2回押すと、ランプが4回点滅して節電モード状態になる。
この状態だと、スマートキーでのボタン操作で微弱な電波が飛ばないようにできる。リレーアタックの手口がスマートキーのこの電波をねらったものであるため、その電波自体を発しなくするという現時点では有効な対策であることは間違いないだろう。
この節電モードにすると、スマートキーとしての利便性がなくなると気になる人もいるだろうが、スマートキーのどれかのボタンを押せば再び節電モードが解除されるようになっている。愛車から離れる際、節電モードに入れるようにしておくことを習慣化してしまうのがいいかも。
ちなみに、先代クラウン以降のトヨタ車に加え、2016年10月に登場した現行インプレッサ以降のスバル車にはこの機能がついている。
この両メーカーのクルマに乗っているユーザーは、節電モードにする方法を試すことでスマートキーのランプが4回点滅すれば対応しているのかどうかがわかる。
そのほかの国産メーカーでも現在、リレーアタックについては開発が進んできており、マツダでは2018年6月にリレーアタック対策を施した電子キーシステムの特許を複数取得している。
一方、輸入車はどうか。リレーアタックの被害が比較的早くから報告されていた欧州車のなかではメルセデスベンツの対策が進んでいるようだ。すべての車種ではないのだが、スマートキーの電波をオフにできるようになっている。
また、ジャガーランドローバー車の10万台以上が、英国で2017年春から2018年春にかけてリレーアタックの被害に遭ったことから、同社ではセキュリティ機能を強化。
レンジローバー、ランドローバーディスカバリー、ジャガーI-PACEの英国仕様についてはすでに対策ずみだという。日本仕様についても最新のセキュリティを装備するのは喫緊の課題となるだろう。
■自動車保険業界の動きは?
今後、ますます国内でも猛威をふるっていきそうな気配のリレーアタック。その背景には窃盗団の手口が巧妙化し、組織化されていることが挙げられる。
本来、ディーラーなどの業者以外、入手しづらかった専門の機械などが容易に入手できるようになったことも後押しする。
もはやスマートキーを採用するモデルのオーナー全員が、このリレーアタックによる愛車の盗難危機にさらされていると言っても過言ではないだろう。
現在のところ、損害保険会社各社ではまだリレーアタックに特化したような保険商品は出ていないようなのだ。しかし、盗難補償のある任意保険に入り直すことによって泣き寝入りを防ぐことはできるはず。
そうなると金額的には負担が増えてしまうのは避けられないのだが、愛車を盗まれてローンだけが残る……なんて「泣きっ面に蜂」状態になる前に、任意保険の変更を検討してみるのもいいだろう。
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