■メリットは比較的大きく今後も残価設定契約が増えるか?
残価設定クレジットを組む際でも値引き交渉ができるということも忘れてはいけないポイント。
通常の新車購入のように車両本体、オプション&付属品の両値引き交渉ができるのだ。しかも現金よりも値引き幅は5万円以上大きくなる傾向がある。
その理由は販売店には金利分のバックマージンが入るようになっていることにある。その分値引きへの余力があるのだ。
当然のことながら有利な条件を引き出すにはライバル車や同じ車種同士の競合をさせて粘る必要がある。
ここまでくると残価設定クレジットは消費者以外はメリットが少ないように思えるが、販売店にとってもメリットはある。
それはユーザーが定期的に販売店に足を運ぶ仕組みになっていることだ。契約中は定期点検、車検などのアフターケアでサービスパックなどの商品も販売し易くなり、その分収益が上がるのだ。
オイル交換などのサービスパックは定期点検車検を3~5年とセットにして販売し、別々に実施するよりも20~30%安くなるのでユーザーにとってもメリットがある。
さらに契約終了後も残価設定ローンの実績があれば別の新車を勧めやすくなるので、販売店にとっては新車の販売促進にもつながる。
これを業界内では「残価設定クレジット契約促進の狙いのひとつにユーザーの抱え込み、あるいは管理ユーザーの拡大がある」などと表現している。
ユーザーにとってのデメリットは通常ローンのように途中で解約できないこと。購入後にクルマが気に入らなくなった、使い勝手が良くないなどと感じても他のクルマに乗り換えることはできないこと。
そして事故などの際にクルマを損傷することなどのリスクもあるが、安全運転などで防げることも多いはずだ。
ただ購入金額が低く、クルマをより身近なものにしてくれるなど、メリットのほうが大きいという消費者も多い。
金利も低下する方向にあり、金利を高く設定しているトヨタが下げる動きが加速しそうだ。そうなるとますます残価設定ローンの利用者は加速的に増えていくのではないだろうか。
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