■具体的に6AT車用のアイサイトと何がどう違うのか?
アダプティブクルーズコントロールも実装されているのだが、それには当然作動条件が設定されている。ミッションは2~6速の間で時速25kmまではACCが作動するようになっているのだが、AT車ではサポートされていた後退時誤発進抑制など一部の機能についてはMT車の特性に合わせて最適化されており、省かれているという。
また、マニュアル車だとどうしても気になるのが「エンスト」問題。エンストしてもブレーキが効くようになっている制御には、VDCの油圧側から液圧が3秒ほどは抜けないようになっている制御になっているそうだ。
そして、ここからは担当の個人的な深読みになるのだが、なぜこの時期にスバルがMT車用のアイサイトの開発を急ピッチで進めて商品化にまで至ったことをアナウンスしたのかということ。
3ペダルMT車用の需要がほぼなくなりつつある今の日本市場のなかで、現行型BRZのMT車比率はおおむね6割あるのだという。すでに6AT車にはアイサイトVerIII相当の先進安全装備が用意されていたが、MT車用のアイサイトは今回が初。
■続々とスバル社内のグローバル車種が!
現行型レヴォーグが2020年デビュー当初の水平対向1.8Lターボに同2.4Lターボを追加し、そして2021年登場の現行型WRX S4が2.4Lターボのみというラインナップで、さらにそのトランスミッションに採用されているのは呼び方の違いこそあれ、CVT(現スバル・パフォーマンス・トランスミッション)一択だ。
そういった状勢のなかで3ペダルMT派に納得してもらうためには、実績のあるEJ20ターボの生産終了後、現行型WRX S4にはまったく搭載される気配のない6MT車の追加設定が後々アナウンスされる可能性が高まっているのではないだろうか。
奇しくも担当は、とあるスバルの開発機関に2023年初旬に取材で訪れた際、現行型WRX S4のボディに先代型までの大型リアウイングを装着したテスト車両を目撃していた。これが今回のBRZへのMT車用アイサイト開発と絡めた何かしらのメッセージとなっているとしてもまったく不思議ではないだろう。
いずれにせよ、スバル初のMT車用アイサイトの完成には大いに快哉を叫んでその登場を迎えたい!
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