スペーシアギア、ノートたちの追加モデルは孝行息子? 放蕩息子?

■その登場、遅すぎた… アクアクロスオーバー

 ここ数年の世界的SUV人気の流れを受け、アクアにもSUVテイストを! ということで、2014年、アクアにXアーバングレードを加えた。

 しかし、フェンダーアーチにブラックの樹脂モールが装着されず、SUV風の派生車らしく見えない。外観は正直、間が抜けた印象になった。さらに価格は、標準ボディで最上級となるGと比べても9万円以上高い。魅力が乏しく割高で、販売は低迷した。

 そんななか、改めて設定したのがクロスオーバーだ。フェンダーアーチモールなどを装着して、価格はGと同額に抑えた。Xアーバンに比べて買い得だが、最初に失敗した痛手は大きく、クロスオーバーの販売比率は約15%と低迷中。どうにも放蕩息子だ。(放蕩息子度:7点)

■月販台数(モデル全体):8875台。そのなかでクロスオーバーは約15%/存在感なし

■高価格で、タルガだけど! ロードスターRF

 現行ロードスターは、2015年に1.5Lエンジンの標準モデル、ソフトトップを発売。翌年に電動開閉式ハードトップと2Lエンジンを搭載するRFが追加モデルとして誕生した。先代型の高い人気を受けて、現行型もRFを開発していたわけだ。

 ただし現行型は先代型に比べて全長が105mm短く、電動機能とルーフの格納スペースを確保するのが難しい。そこで現行RFは、リアピラーを残すタルガトップに。価格はRFのRSが381万2400円だから、ソフトトップに比べて55万円以上も高い。

 思いきった価格設定だが、それでもRFはボディ剛性の向上と排気量の拡大で運転感覚が上質になり、ロードスター全体の約39%を占める。高価格でも堅調に売れてマツダに利益をもたらす孝行者だ。(孝行息子度:7点)

■月販台数(モデル全体):432台。そのなかでRFは170台/人気者にRFという孝行息子まで登場

■先代を彷彿とさせる丸目だけど…? コペン セロ

 コペンはボディ剛性を高めて生産も合理化するため、骨格に樹脂外板を貼り付けている。それゆえ購入後に外板を着せ替えることも可能。発売当初、これをやたらアピールしていた。そして、追加グレードのセロも外板に互換性がある。この点、素晴らしい。

 丸型ヘッドランプなどで先代コペンの面影を濃厚に感じさせるセロ。テールランプも丸型で、先代モデル好きにとっては待望の追加といえる。

 セロの価格はローブより5万4000円高いが、LEDヘッドランプがバイアングル方式で外装パーツも上級化。セロはローブやSUV風のXプレイに比べると雰囲気が柔和で、先代コペンのイメージに合うため注目のモデルになった。が、販売を押し上げるまでにはなっていない。(孝行息子度:6点)

■月販台数(モデル全体):289台/孝行息子度が低いということは放蕩息子度が高いということ。新顔(追加)にはぜひ頑張ってほしいところ
■月販台数(モデル全体):289台/孝行息子度が低いということは放蕩息子度が高いということ。新顔(追加)にはぜひ頑張ってほしいところ

■能力は認めるが価格が…… クラリティPHEV

 リース契約のクラリティの新顔が、プラグインハイブリッドのPHEVだ。1.5Lエンジンは主に発電を行い、モーターを駆動して走る。駆動用電池の容量は17hと大きく、プリウスPHV(8.8h)の約2倍。1回の充電で101kmを走行できる(WLTCモード走行)。

 魅力的なスペックだが、価格が588万600円と高い。

 カーナビなどを標準装着するが、プリウスPHV・Sナビパッケージよりも200万円以上高い。「むむむ」である。

 CEV補助金(2018年度)は、クラリティフューエルセルなら208万円だが、プラグインハイブリッドは一律20万円にかぎられる。

 よって購入予算は(フューエルセルはリースだが)、PHEVのほうがかなり高くなる。販売低迷もナットクで、放蕩息子度、上昇中!(放蕩息子度:9点)

■月販台数:7台。※フューエルセルはリース/車両価格だけで約600万円はキビしいっス

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