【レヴォーグらを超辛口チェック!!】カタログスペック以上と以下のクルマ 5選

■スペック以上のクルマ2/マツダロードスター

1.5LのNAで132psとスペックだけみると非力に思えるが、車重が990Kg(S)と軽いこともあってスペック以上に楽しいマツダロードスター<br>
1.5LのNAで132psとスペックだけみると非力に思えるが、車重が990Kg(S)と軽いこともあってスペック以上に楽しいマツダロードスター

【マツダロードスターS(6MT)のスペック】
全長3915×全幅1735×全高1235mm■ホイールベース:2310mm■車両重量:990kg■エンジン:1.5L、直4■最高出力:132ps/7000rpm■最大トルク:15.5kgm/4500rpm■車両本体価格:255万4200円

 「182psでもこんなに速いぞ!」というのがシビックであるのに対し、「たとえ132psでもこんなに楽しく走れるぞ! 」というのがロードスターだ。

 のちにRFに搭載された2Lエンジン(184ps/20.9kgm)も、海外向けのソフトトップのロードスターには搭載されているものの、ロードスターならではの「人馬一体」をより深く味わうには、こちらのほうがベターという開発主査のこだわりから、日本で販売されるロードスターの1.5Lのみとされたわけだが、このエンジンはとにかくよく回る。

 キレイに軽やかに吹け上がる。昔のロードスターが高回転域では壊れそうなくらい振動が出ていたのとは大違い。

 実のところ、6500rpmから7500rpmにかけては回っているもののパワー感というのはあまりないわけではあるが、よく回るだけでもパワフルに感じるし、ドライブしていて楽しい。こんなに上までよく回るエンジンは、いまどき貴重だ。

 むろん2L版を搭載するRFのほうが、トルクがあって扱いやすく、1.5Lは高速道路やワインディングを走ると非力さを感じるのは否めないが、楽しさは確かに開発主査のコダワリのとおり、1.5Lのほうが上な気がする。

 ただでさえロードスターは、このクラスで貴重な後輪駆動車。「人馬一体」や「意のまま」を掲げるハンドリングも、このクルマの持ち味。それをより味わうには、小排気量でよく回るエンジンのほうがよく似合う。1.5Lのみとされた理由が伺いしれるというものだ。

■スペック以下のクルマ1/レヴォーグ2Lモデル

300ps/40.8kgmを発生する2L直噴水平対向4気筒ターボを搭載するレヴォーグ2Lモデル<br>
300ps/40.8kgmを発生する2L直噴水平対向4気筒ターボを搭載するレヴォーグ2Lモデル

【レヴォーグ2.0GT-Sアイサイトのスペック】
全長4690×全幅1780×全高1490mm■ホイールベース:2650mm■車両重量:1570kg■エンジン:2L、水平対向直噴4気筒ターボ■最高出力:300ps/5600rpm■最大トルク:40.8kgm/2000~4800rpm■車両本体価格:361万8000円

 これに対し、スペックから期待するほど速くないクルマは?というと、メーカーさんには申し訳ないが、思い当たるクルマがいくつかあるのは正直なところ。

 ただし、単にショボイわけでなく、スペックの数値的には大いに期待させるものがあるわりには、乗ってみると期待ほどでなかったかな、というニュアンスであって、けっして性能が低いわけではないことを、あらかじめことわっておこう。

 まずは300psといいながら、いまひとつ速さを実感できないレヴォーグの2Lモデルだ。

 レヴォーグには1.6Lモデルもあって、いずれも4気筒のガソリン直噴ターボで、CVTのみの組み合わせとなるが、販売的には圧倒的に1.6Lが多い。

 2Lモデルの300ps/40.8kgmに対し1.6Lモデルは170ps/25.5kgmと、1.5倍近くの違いがあるのだが、いざドライブしてみても、そんなに差があるとは思えない。

 300psもあれば、トルクもそれなりに出ているはずにもかかわらず、1.6Lモデルがそれだけよくできているというよりも、300psもあるはずの2Lモデルが、いささか物足りないのだ。

 車両価格の差だが、1.6Lが286万2000~356万4000円、2Lが361万8000~405万円とかなり大きめながら、装備差はそれほどない。

 使用燃料もハイオクとレギュラーという違いがある。それゆえ販売比率が1.6Lモデルのほうが高くなるのはまったく不思議ではないが、実はAWDシステムが別物だ。

 1.6LモデルはアクティブトルクスプリットAWD、2Lモデルはより本格派のVTD-AWD( 不等&可変トルク配分電子制御AWD )となる。

 ドライブフィールも2Lモデルのほうがいかにも後輪駆動的で、ハンドリングはずっと楽しい。そこは2Lモデルに大きく軍配。

 要するに、せっかくWRX S4のようなモデルもあるのだから、そのコンポーネントを用いて、WRX S4譲りのパフォーマンスを、ワゴンボディで味わえるようにしたクルマだ。

 レヴォーグの2Lモデルの存在価値は、まさしくそこにある。なんかもったいないというか、1.6Lモデルと見た目でわかる外観の差をもっとつけたスペシャルモデルにしてほしかったように思う。

次ページは : ■スペック以下のクルマ2/CX-8の2.5Lガソリン直噴ターボ

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