汗っかきにとって憂鬱な季節がやってきた。ダラダラと流れ出る汗の臭いが染み付いた車内は実に耐えがたい。衣類の臭いは洗えばなんとかなるが……。車内の臭いは難敵!! そこで今回は、車内を汗の臭いから守る術を考えていこう。
文/室井圭、写真/写真AC
どこが臭くなる?
もっとも汗臭くなるのは体との接触面が大きい部分。なかでも、シートとシートベルトがホットスポットだ。
シートの素材はレザーシートとファブリックシートに大別されるが、臭いが付きやすく取りにくいのはファブリックシート。
ファブリックシートは水分を吸収しやすいため臭いが染み付きやすいのだ。また、汚れが繊維の中まで入り込んでしまうため、汗と汚れが混じり合った混合臭も発しやすい。
ただし、レザーシートも安心ではない。実は、通気性の良さはファブリックのほうが優れているため、着座している状態ではファブリックよりもレザーシートのほうが発汗量は増えやすい。その汗を付着したままにしておくと当然、臭いが染み付いてしまう。
シートベルトもシートに負けず劣らず汗臭くなりやすい場所。体型にもよるが、脇の下近くにシートベルトが接触してしまうような人は要警戒。脇の下付近から出る汗は他の部分から出る汗よりも臭いが強い傾向があるためだ。
他に、頭の汗が付着するヘッドレストや、手汗が付着するハンドルやシフトノブも臭いが付きやすい場所だ。
汗の臭いの撃退法
汗の臭いを取るためにまず行うべきは掃除機でシートの表面や隙間に溜まったゴミやホコリを吸い出すこと。ゴミやホコリの中には雑菌がいて、その雑菌が汗と混じり合うことで悪臭を放つからだ。
つまり、ゴミやホコリを除去しなくては臭いのモトを絶つことができないということだ。
掃除が済んだら、拭き掃除へ。シートやヘッドレスト、シートベルトは中性洗剤を10~20倍くらいに希釈した水に浸した雑巾やウエスを固く絞って全体を拭いていく。その後、水拭きをする。
レザーシートは中性洗剤が濃すぎると劣化が進むおそれがあるため、希釈率は20倍くらいに。また、洗剤成分が付着している時間を極力短くするため、洗剤付きのウエスで拭いたらすぐに水拭きをしよう。
ハンドルなど、触れる頻度が高い部分も同様に拭き掃除をしよう。
汗自体は水溶性の汚れのため、洗剤なしでも拭き取ることができるが、皮脂やミネラル分なども混じっているため、中性洗剤を使用したほうが洗浄効果は高まる。
最後に、水分を残さないように丁寧に乾拭きで仕上げを。カラ拭き後にドアや窓を全開にして車内全体を乾燥させることを忘れずに。水分が残っていると、雑菌が繁殖して、汗の臭いのかわりに生乾き臭が発生してしまう。
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