自動車メーカーが作る教習車は多く使われている
さて、いよいよ今回の本題であります。なぜアクセラの教習車は多いのか? 前出の全指連によると「架装メーカーが教習車を作っているケースもありますが、自動車メーカーが教習車仕様を販売していると、その車種が教習所で使われるケースは多いといえます」という。
現在、自動車メーカーが販売している教習車は、マツダがアクセラ、トヨタがコンフォート、スバルがインプレッサG4をベースにした教習車があり、全指連によると特にアクセラやコンフォートを採用している教習所は多いと思われるという。
さらに調べてみると、アクセラが教習車に多く使われている理由には、教習車に定められている基準も関係しているといえそうだ。技能試験や検定に使う普通自動車は全長4400㎜以上、全幅1690㎜以上などのサイズ規定があり、つまり3ナンバーサイズでも問題ない。
逆にセダンでもカローラアクシオのサイズになってくると、実際に教習車はあるが全長が足りなくなるため、大型バンパーへの変更が必要になっている。そういった改造の必要がなく、以前から多く使われてきた5ナンバーサイズに近いセダンが、現在はアクセラやコンフォート、インプレッサG4といったモデルになるわけだ。
ちなみに、日産のティーダラティオとホンダのシビックセダンを使用している教習所はあるが、いずれも現行モデルはないため、日産もホンダも現在は教習車の販売はしていない。
では、そんな自動車メーカーが発売している教習車のなかでアクセラが多くの教習所で使われている理由とは?
マツダは、初めてハンドルを握るクルマである教習車を通じて〝走る喜び〟を感じてほしいという一心でアクセラ教習車を開発してきたという。その〝走る歓び〟を感じて正しく運転できるようになるには、適切な「認知」「判断」「操作」の習得がとても大切で、そのため市販のアクセラでは搭載している坂道発進アシストやアイドリングストップ機構といった先進機能のない仕様をあえて採用。
教習生が本当に運転に必要な基本技能を身に付けられるような工夫を施しているのだった。さらに約20年に渡り教習車開発に携わってきたベテランエンジニアが、教習所に出向いて観察し、改善を続けているという。
また、前出の教習所、コヤマドライビングスクールにアクセラを採用している理由を聞いたところ「運転のしやすさや販売会社のメンテナンスが行き届いているといった面もありますが、一番の理由はデザインのよさですね。アクセラはメインターゲットにしている女性に好まれるデザインですし、実際に教習生にもスタイルがいいと評判です」とのこと。
確かに若い人や女性にはタクシーと同じカタチのコンフォートよりも、アクセラの流麗な最新フォルムのほうに人気があるのはうなずけるかも。
まとめ
というわけで、「アクセラの教習車はなぜ多いのか?」は、まず教習車用のセダンとして適度なボディサイズであること。そして、自動車メーカーのマツダが教習車仕様として開発、生産して現在も販売しているため、教習所がまとまった数を購入しやすい。さらに、スタイリッシュなスタイルも若者や女性の多い教習生に好評、といった理由があるといえそうだ。
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