いまのクルマ界、ややこしいカテゴライズの仕方だったり、名前の付け方だったりがけっこうある。
それぞれに込められた意味をここで一度整理して「スッキリ!」してみたい。
※本稿は2019年4月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年5月26日号
■BMWの「Xで始まるSUV」問題&ベンツの「GLで始まるSUV」問題
世界的潮流とはいえ、ドイツの2巨頭ブランドにはSUVが増殖中。まずは、気づけば1から6まできれいに並ぶBMWのSUVシリーズ「X」ラインナップ。
まず、「X●」の数字に意味がある。奇数は「クロカンタイプ」、偶数は「クーペタイプ」で差別化されているのだ。ふむふむ。
で、数字が大きくなるほど車格が(価格も)上がるわけだ。が、しかし…このように同サイズで写真を載せると……実に似ている。特にX3とX5。
●奇数ナンバリング(クロカンタイプ)
●偶数ナンバリング(クーペタイプ)
次はメルセデスベンツのSUVシリーズ「GL」。車名の「GL」の後に続く「A~S」で、車格と価格アップ具合がわかるのだが、リアガラスが寝るクーペタイプには「クーペ」という名前が付いているのでわかりやすい。
こう並べてみると意外とデザインも異なり、特に「GLE」はリアピラーのデザインがほかと大きく違いますね。
■ボルボ V40「英語の言葉が付く多彩なグレード」問題
ボルボのなかでもヒットモデルとなっている「V40」。グレード名に「キネティック=動的」「モメンタム=弾み」(※いずれも直訳の英語です)などという名称が付いているので、ちょっとややこしい。
なので、5枚の写真を並べて整理してみた。まず「キネティック」はベーシックグレードで、シートやオーディオ関係の装備が簡素化されている(もちろん安全装備は標準設定)。
「モメンタム」は量販モデルのベースグレード。北欧をイメージしたファブリックシートながら、運転席パワーシートは標準設定。
「インスクリプション」は上級グレード。運転席&助手席がレザーのパワーシートで標準化。大型のタイヤ口径も特徴。これのSUVスタイルが「クロスカントリー」で、それに「サマム」という名称が付く。
最後は「Rデザイン」。スポーティグレードで、「R」はRacingでなくRefinement(洗練)の「R」。スポーツ性だけを狙うのではなく専用の内外装、専用サスペンションなどが特色。これでバッチリ整理できた! ハズ!
■MINI「種類ありすぎでチンプンカンプン」問題
現在、日本で売られているMINIのモデル、これも整理したい。まずMINIの3ドアモデルのなかでグレード違いを3台取りあげたが、グリルの違いなど微妙に雰囲気が違う。このさじ加減の妙が素晴らしいではないですか。
そして、5ドアONE、クラブマン、クロスオーバーという5ドアの3タイプ。これらもパッと見は似ており、特にクロスオーバーはモデルチェンジでクラブマン寄りのスタイルに…。
でもこの3台、ボンネットの形状がそれぞれ異なり、それ以上に大きさが違うので(写真では同サイズで載せたが)実は区別がつきやすかったりする。
たとえば、クロスオーバーの場合、全幅は1820mm(トヨタクラウンより20mmでかい)、全長は4315mm(スバルXVより150mm短いだけ)と、もはや「MINI(小さい)」とは呼べない堂々たる体格です。
以上、7枚の写真を載せたが、すこし前までクーペやペースマンなどのモデルもあったので、その時よりはまだ整理がつきやすい。
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