■警察庁が絶対条件としたのは設計速度?
要するに、最高速度引き上げのメリットを感じるためには、ある程度距離が長く、あまり交通量が多くないことが条件になる。
しかし警察庁は、そういったドライバー側のメリットとは無関係に、最高速度120km/h区間の基準を決めている。その絶対条件となるのは、設計速度が120km/hであることだ。
<設計速度120km区間一覧>
道央道/登別室蘭-札幌南、札幌-岩見沢
東北道/平泉前沢-盛岡南、浦和料金所-佐野藤岡
常磐道/三郷料金所-日立南太田
関越道/川越-渋川伊香保
東関東道/千葉北-佐原香取
新空港道/成田JCT-新空港
中央道/三鷹料金所-八王子
東名/横浜町田-秦野中井、岡崎-小牧
新東名/御殿場JCT-浜松いなさJCT
名神/小牧-養老、彦根-甲良、秦荘-蒲生、栗東-大津
新名神/新四日市JCT―大津JCT
北陸道/木之本-長浜
九州道/大宰府-久留米
警察庁は、これらの区間のうち、「片側3車線の道路を優先して、順次、関係県警察において、高速道路会社等と調整等を行う」としている。それに該当したのが、
〇東北自動車道、浦和IC―佐野スマートIC
〇常磐自動車道、柏IC―水戸IC
〇東関東自動車道、千葉北IC―成田IC
〇新東名自動車道路、御殿場JCT―浜松いなさJCT
という4区間だが、該当区間全線が120km/hに引き上げられたのは新東名だけで、他の3区間は安全性確保のためJCT部を除外するなどして、引き上げ区間が短縮されている。
新東名はJCT部も含め120km/hなのに、なぜ他の路線は「JCTは交通が輻輳するため危険」なのか、説明がつかない。JCT部云々よりも、交通量が多い区間のほうがリスクは増すし、実速度が上げられないぶん、メリットも減じる。もちろん距離は短いほどメリットは小さくなる。
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