喋りすぎるクルマの最前線〜便利とウザいは紙一重!?〜

 独り暮らしをする男女で仕事以外のケースで他人と会話しない人が増えているらしい。恐ろしい時代になったもんだ。会話をしなくなった日本人とは対照的にクルマの用品、カーナビ、ETC車載器、レーダー探知機、ドライブレコーダー、カーロケなどは年々お喋り度合いが増している。

 重宝するし、わかりやすいが、クルマのエンジンをかけるたびに、「ETCカードが挿入されていません」に対し、すかさず「入れてネェよ」と切り返し、 車内に冷たい空気が流れた、という経験をした人も多いハズ。クルマの喋る機能について浪速のカー用品評論家、松平智敬氏が検証。

カー用品の喋る機能はここまで進化!

 最先端のオモシロ機能に迫る!

 音声案内技術は、けっこう人知れぬ努力をして開発されてきている。例えば、単語をひとつずつ朗読し、それを録音してデータベースにした後、組み合わせて文章を作るのというはたいへん手間のかかる作業なのだ。開発途中には、その朗読した単語がちゃんと聞きとれるか、紛らわしい発音をしていないかなどといったことも、チェックしなければならない。

 しかし、現在は合成音声の作成技術が向上し、人が朗読しなくても単語を作ることが比較的容易にできる。さらに、文章にした時でも単語の継ぎ目がスムーズになった。たとえば、かつてのSF映画に出てくるロボットのように、「コ・ン・ニ・チ・ハ」といった違和感のあるしゃべり方にならないのである。こういった技術が、多くの複雑な言葉を機器が喋れるようにしたわけだ。

 お喋り内容の精度も向上してきた。例えば、カーナビのルート案内であれば、次に曲がるところまで「あと○○mです」というように、正確な距離を知らせてくれる。これは、GPSの精度が向上したことに加えて、ジャイロセンサーなどといった自車位置を正確につかむためのシステムが、発達したからにほかならない。これに伴い、ルート途中や目的地の施設や取り締まりポイントなども、実際の場所とほとんど誤差が発生しなくなっている。

 音声案内をする機器は膨大な情報を持ち、それをセンサーからの信号に照らして高速で処理をするのだから、もはやコンピュータとなんら変わることがない。情報の更新もマイクロSDなどの媒体を通じて、簡単に最新のものに書き換えられる。しかも、その費用負担は比較的小さくなってきており、利便性の向上は計り知れないのだ。

 ただ、これらは音声を使って情報を伝えるということだけを満足させているのであって、必ずしも「おもしろい」と思えるわけではない。そこでかつてカーナビで行われていた方言の音声案内を、再び商品化するメーカーが出現。その内容は地方ごとに設定した萌え系キャラが方言を喋るというアプリケーションを提供するという方法である。

 ほかにも宇宙戦艦ヤマトやドラゴンボールといった、人気アニメのキャラクターや世界観を持つPNDもある。実際のアニメの声優がオリジナルのキャラクターとして、音声を録音したソフトも発売されている。これらは本来の機能である音声案内よりも、キャラクターやアニメなどの世界観を楽しむことに重点が置かれた、「遊び心を持つ」グッズだといえる。

 PNDの場合、最初から本体ごとキャラクター仕様に作られており、外観のデザインもそれらしくなっている。それに対して、声優によるオリジナルキャラクターや方言のナビは、それぞれ独立したアプリケーションになっている。だから、欲しいソフトをダウンロードし、指定された機器にインストールして使うわけだ。この方法なら購入価格が安価なので、誰でも手軽に楽しむことができる。

 今後、音声案内機器にはAI機能が搭載され、会話が可能になってくるのではないだろうか。イメージとしてはアップルのSiriだ。ドライブをしながら会話を楽しめて、疲れを癒す効果も期待できる。また、より詳しい情報の提供も可能になるだろう。ただ、調子に乗ってクルマとディープな会話を楽しんでしまうと、ドライブレコーダーの常時録音機能に、しっかりと記録されかねないから要注意。今のクルマは抜け目ないのだ。

喋るカー用品ユニークな機能ランキング

★ユニークお喋りランキング★

1位 (人気アニメなどの)萌えナビ

7

2位 (人気アニメなどの)キャラナビ

9
11

  • 3位  「○○の交通安全週間です」
  • 4位  方言での誘導など
  • 5位  「シートベルトを締めましょう」という注意喚起
  • 6位  英語での各種警告
  • 7位  「盗難多発地域です」という警告
  • 8位  「そろそろ休息しましょう」という甘いささやき
  • 9位  「お帰りなさい」との優しい呼びかけ
  • 10位  「小(中・高等)学校があります」という注意喚起
  • ランク外「この駐車場には警報装置が付いています」

 とにかく、最近のカーグッズはいろんなことをよく喋る。本当に、うるさいぐらいだ。なかでも、カーナビやレーダー探知機は施設案内までしてくれるが、どうでもよいところも少なくない。「子供に注意」という意味では学校の所在を知らせる価値はあるのだろうが、女子校でもなければ興味が持てないから10位が妥当だと思う。

 「お帰りなさい」とあいさつされるのはよいが、自宅近くを通過するだけの時はむなしく聞こえるので9位。それに対して、5位のシートベルトや8位の休息の案内には気づきがある。もっとも、習慣化していればいらぬお世話だ。盗難多発地域を教えてもらえると、セキュリティ意識が高まる。ただ、自宅近辺が対象地域になっていると、あまりよい気分はしないので7位。

 いっぽう僕は英語が苦手なので英語の警告では怯まないけれど、外国人には効果があると思うから6位。英語恐怖症? の人には不要かも……。

 4位の方言による案内は聞いていてかなりおもしろい。全国を網羅して欲しい気もするけれど、津軽弁や鹿児島弁だと地元の人以外は肝心の案内が理解できない恐れがありそうだ……。3位の交通安全週間の案内は本当に役に立つ。この時期は各所で取り締まりが強化されているので、気を引き締めて運転をするようになる。

 2位のキャラナビは人によって好き嫌いはあるだろうが、自分が好きなアニメだったらハマること間違いなし。キャラクターらしいセリフの音声案内を聞けば、ドライブの楽しみが倍増する。でも、やっぱり萌えナビが一番。あの屈託のない喋り方は、いろんな意味でドライブの疲れを吹っ飛ばしてくれるに違いない。

 そして、最後はランク外。そうですか。今は駐車場のセキュリティシステムも喋るのですか。いやぁ、まいりました。

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