■一般道を通行止めにした結果起こったこと
理由は、国交省の方針変更にあった。
2020年に起きた新潟・関越道の大規模立ち往生では、関越道だけでなく、並行する国道でも立ち往生が発生。全面的な解消まで3日もかかり、人命の危機となった。
その経験を踏まえ、高速道路だけでなく、一般道でも予防的通行止めを行うことが決まっていたのだ。高速道路を通行止めにしても、その交通が国道に流れ込んで、そこで立ち往生が発生すれば、同じことになってしまうからである。
ただし、それを知っていたドライバーは、少なくとも首都圏にはほとんどいなかった。しかも今回は、事前に決められていた区間以外でも、2月5日14時から通行止めが実施された。
国道20号線の予防的通行止めは、大垂水峠付近や山梨県内以西での実施のはずが、高井戸交差点(杉並区)~山梨県内まで通行止め。国道246号線は、通行止め区間はないはずだったが、瀬田交差点(世田谷区)から神奈川県内全域が通行止めとなった。
国道20号線に関しては、並行する東八道路が走行可能だったため、悲惨というほどではなかったが、国道246号線はまったく悲惨な状況となり、瀬田交差点を先頭に、ほぼまったく動かなくなってしまった。
実はこの通行止め、実際に封鎖されたのは、高井戸交差点と瀬田交差点のみで、その先の交差点からは下り線に進入して走行することができた。
つまり「全面通行止め」でもなんでもなかったわけで、立ち往生を防ぐ効果はあまりなく、逆に封鎖された交差点の手前で、立ち往生も同然の大渋滞が発生した。これははたして正しい規制だったのか?
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