クルマと道路は切っても切り離せないもの。交通ジャーナリストの清水草一が、毎回、道路についてわかりやすく解説する当コーナー。今回は先日大雪が降った東京で何が起こったのか、一般道の通行止めの効果について考察していく。
文/清水草一、写真/フォッケウルフ、pixta
■雪で交通がマヒする首都圏にまた雪が……
2月5日、首都圏を大雪が襲った。大雪といっても東京都心の積雪はわずか8cm。雪国の人には笑止千万な大雪だろうが、東京に実質的な積雪があったのは約2年ぶり(2022年1月の10cm)。その前は2018年の23cm。つまりこれでも2~3年に一度の大雪だったのだ。そして今回も交通は大混乱した。
高速道路は、首都高およびNEXCOの高速道路にて、まだ雪が積もっていない午前11時から「予防的通行止め」が実施されたため、まったく混乱はなかった。
2年前の10cmの大雪では、首都高で大規模な立ち往生が発生し、解消までに14時間を要した。なかでも山手トンネルで発生した立ち往生は、トンネル内だけに水や食料の配布が困難で、場合によっては命にかかわる事態もあり得た。今回は高速道路の予防的通行止めで、こういった事態は完全に防ぐことができた。
しかしそのあおりを食って、一般道で多くの渋滞が発生した。特に国道246号線と国道20号線は、環状八号線との交差点で下り方向が封鎖されたため、大渋滞となった。
これに対しては、ドライバーから怒りの声が相次いだ。「一般道まで通行止めにするなんて聞いてない!」「なぜそんなことをするんだ!」と。
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