月に数回しか3列目を使わない人はミニバンよりSUVを買うほうが合理的!
これらの居住性がSUVに似ているワゴン風のミニバンは、人気が下がって今はプリウスアルファとジェイドしか用意されていない。ウィッシュ、ストリーム、プレマシーなどはすべて生産を終えた。
オデッセイは、以前は背が低かったが、現行型はエリシオンと統合されて背を高め、床面もセレナやアルファード&ヴェルファイアと同じく平らに仕上げている。
この方式を採用しながら、オデッセイは燃料タンクを薄型に造り、床を低く抑えて乗降性を向上させた。重心も低くなるから、走行安定性も優れている。
以上のようにSUVの3列目シートは、背の高いミニバンに比べて居住性が劣るが、使い方によってはむしろ合理的だ。
例えば1か月に1~2回、多人数で短い距離を移動するために、背の高いミニバンを買うのはもったいないだろう。
3列目は少し狭くても、好きなクルマを選ぶほうがよい。3列シートのSUVは、このニーズに適している。
それでは本題に入ろう。3列目シートの快適なSUVをランキング形式で取り上げてみたい。
1位:マツダCX-8
SUVで3列目が最も快適な車種はCX-8だ。マツダがミニバンのプレマシーやビアンテの生産を終えたこともあり、多人数乗車の可能な車種として設定された。
CX-8は北米で売られるCX-9の全幅を狭めたモデルで(開発する上ではCX-5のロング版ではない)、全長は4900mm、全幅も1840mmに達する。
価格は大半のグレードが300万円以上だから、プレマシーに比べると100~200万円高い。従ってプレマシーからの乗り替えは期待できないが、3列シートのSUVでは居住性が最も快適だ。
ミニバンのような床面を平らにした形状ではないから、3列目に座ると膝が持ち上がって腰は落ち込むが、足元空間は相応に広い。
身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に設定して、3列目に座る乗員の膝先には握りコブシ1つ少々の余裕ができる。3列目に座る乗員の足が2列目の下に辛うじて収まることもメリットだ。
3列目の座り心地も良い。座面に柔軟性があるから、腰の収まり方も良好だ。
この3列目の居住性をミニバンに当てはめると、コンパクトなフリードと同程度になる。
マツダ車なら生産を終えたプレマシーに近い。片道1時間程度の乗車なら対応できる。いい換えるとSUVに装着された3列目の居住性は、最も快適なLサイズのCX-8でも、コンパクトミニバンと同程度なのだ。
むしろCX-8で注目されるのは、6人乗りの2列目シートがミニバンのキャプテンシート(セパレートシート)のような造りになることだろう。Lパッケージでは2列目の中央にセンターコンソールボックスが備わり、アルファードのような雰囲気になる。
「多人数乗車の機会は少ないが、広くて快適な2列目シートが欲しい」という理由でアルファードやエルグランドのようなLサイズミニバンを買うユーザーも多い。CX-8は、同様のニーズをSUVで満たせることが魅力だ。
2位:ホンダCR-V
初代CR-Vは人気の高いSUVだったが、その後はフルモデルチェンジの度にボディを拡大させ、売れ行きを下げた。
ヴェゼルの人気が高まってCR-Vは一度国内販売を終えたが、SUVが売れ筋カテゴリーになると、ヴェゼルだけではラインナップが不足する。そこでCR-Vを復活させた。
CR-Vのボディは相変わらず大きいが、ハイブリッドが加わり、1.5Lガソリンターボには3列シートの7人乗りも用意した。
身長170cmの大人6名が乗車するには、2列目シートのスライド位置を前方に寄せて、膝先空間を握りコブシ1つ分まで詰める必要がある。この状態で3列目に座ると、膝先空間は握りコブシ半分程度だ。
3列目はこのように狭いが、3列目の床は少し深く掘り込まれ、膝が極端に持ち上がらないよう配慮した。3列目に座る乗員の足が、2列目の下に収まりやすいこともメリットだ。狭い割には快適に座れる。
コメント
コメントの使い方