ヴィジヴ・アドレナリンコンセプトはこれまでにない大胆なデザイン
スバルは、モーターショーのたびにデザインスタディとなる「ヴィジヴ」の新作を発表してきた。
その最新作が「BOLDER(ボールダー)」(より大胆な)をキーワードにデザインされたヴィジヴ・アドレナリンコンセプトである。
実は2018年7月に発表された新中期経営計画の時に、デザインの方向性として、すでにBOLDERが発表されていた。
これまで提唱してきたダイナミック×ソリッドのデザインテイストに大胆さを加えたアドレナリンコンセプトは、初めてこのBOLDERが取り入れらたもので、これからのスバルデザインの方向性を示す意欲作だ。
ボディサイズは全長4490×全幅1900×全高1620mmで、最大のライバルたるC-HRよりも全長が130mm、ヴェゼルよりも全長が160mm長く、全長4465mmのXVに比べ25mm長い。
トヨタとEV専用プラットフォームを共同開発し、スバルからも発売
このヴィジヴ・アドレナリンコンセプトが新型SUVになるのか、既存モデルの後継車になるのか、いまいち見えていなかったが、ある重大な発表によってこのヴィジヴ・アドレナリンコンセプトの方向性が見えてきた。
その発表とは、2019年6月6日、トヨタとスバルが中・大型乗用車向けEV専用プラットフォーム、およびCセグメントのSUVモデルのEVを共同開発することに合意した、というもの。
今回の提携は、両社はお互いの得意とする技術を持ち寄り、可能な部分は協調することでその製品化を加速させながら、EV専用プラットフォームを共同開発していくとしている。
同プラットフォームはCセグメントからDセグメントクラスのセダン、SUVなど複数車種への幅広い応用や、効率的な派生車開発にも対応できるものとして開発される予定だ。
フロント、センター、リアといったモジュールごとの開発をすることで、効率的に複数のボディタイプやサイズを展開可能とするほか、フロントモーターとリアモーターの組み合わせによって、FFにもRRにも4WDにもできる専用EVユニット「e-TNGA」をスバルとトヨタが共同企画し、ニーズに合わせた駆動方式を提供可能とするとした。
なお、スバルは今回の提携にともない、これまで独自開発を中心に進めてきたEV開発をトヨタとの共同開発へシフトさせ、技術、開発、調達などの面でさらなる効率化を図る。
スバルの新しいCセグメントSUVは大胆なデザイン+EV+AWD
こうしたトヨタとの提携で、スバルはEV専用プラットフォームと専用EVユニットe-TNGAを共同開発することになるが、既存のフォレスターやXVの追加モデルや後継車ではなく、全く新しいモデルとなる。そして、その新型SUVにヴィジヴ・アドレナリンコンセプトのデザインが採り入れられる。
EV専用プラットフォームはホイールベースを自由に変えられるが、今回の発表によるとCセグメントのSUVと明らかにされている。
となると、まさに2019年10月にデビューするマツダCX-30とのガチンコ勝負となる。
しかし、スバルの新型SUVのデビューはまだ先。トヨタが発表した「2020年に中国を皮切りにEVを本格投入し、それ以降、グローバルに車種を増やしていき、2020年代前半には、10車種以上にする 」という計画のなかには、スバルと共同開発する新型SUVは入っているので、早くても2022~2024年頃になるのではないだろうか。
2019年10月の東京モーターショーでスバルから、このヴィジヴ・アドレナリンコンセプトが進化、発展した新しいSUVが発表されるはずだ。期待して待っていよう。
ちなみに、マツダはすでにトヨタおよびデンソーとEV開発の専門会社、EVCAスピリットを立ち上げているため、電動車両についても2020年代の早い時期に登場するはずだ。
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