2023年12月に発売を開始したレクサス LBX。レクサス最小のSUVとしてデビューしたLBXの購入を考えている人も少なくないだろう。そこでここでは、LBXの知りたい部分やライバルとの比較など、気になる部分を解き明かしていく!!
※本稿は2024年3月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/LEXUS
初出:『ベストカー』2024年4月10日号
■エントリーモデルでもレクサスらしい高級感を味わえる?
LBXのGA-Bプラットフォームは、コンパクトカーのために開発され、ヤリスXの価格は約150万円だ。同じベースを使って、価格が3倍以上のプレミアムブランド車を開発するには困難が伴った。
その結果、大幅に手が入ってホイールベースも伸びた。運転操作に対して正確に反応するステアリング、後輪の接地性を保ちながら適度に機敏に曲がる走行性能、ソフトパッドを使った内装、腰を確実に支える前席の作りはレクサスの水準に達している。
その一方、時速40km以下で少し粗く感じる乗り心地、やや耳障りなロードノイズと3気筒エンジンの音は、車両の素性を意識させる。
■同様にコンパクトなUXと比べると何が優れている?
LBXは上級グレードのみを販売する。開発者は「最初からグレードを増やすと、納期がさらに遅れる」と述べた。その結果、クールとリラックスの価格は、ボディがひとまわり大きなUX300hの標準タイプとほぼ同額だ。
しかし装備は異なり、LBXは、UXが装着しないアダプティブハイビームや上級シート表皮などを備える。つまりLBXは小さいわりに装備は充実。それでいて、ヒエラルキーも保っているモデルと言える。
その一方でステアリング操作に対する車両の正確な動き、下りカーブを曲がる時の後輪の接地性、乗り心地の引き締まり感などは、UXよりもLBXが上質だ。
■欧州ライバルと比肩できる魅力があるのか?
LBXはプレミアムブランドだから、海外のコンパクトSUVもライバル車に入る。アウディQ2に2Lクリーンディーゼルターボを搭載するQ2・35TDI・Sラインの価格は、LBXと同額の460万円だ。Q2の内装と雰囲気はVWに近くLBXのほうが上質だ。
後席の広さなどの実用性は同程度。動力性能はディーゼルのQ2が勝り、燃費はハイブリッドのLBXだ。一長一短だがプレミアム感覚はLBXが強い。
DS3は1.2Lターボのパフォーマンスラインが462万円で、上級感よりも独特のデザインに魅力がある。BMW X1もサイズは近いが価格は最廉価でも604万円と高価だ。
●LBX ビスポークビルド・FF主要諸元
・全長×全幅×全高:4190×1825×1545mm
・ホイールベース:2580mm
・車両重量:1310kg
・エンジン:直3DOHC
・排気量:1490cc
・最高出力:91ps/5500rpm
・最大トルク:12.2kgm/3800-4800rpm
・モーター出力/トルク:94ps/18.9kgm
・WLTCモード燃費:27.7km/L
・価格:550万円
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