ディーラーはお値段高めだが、保証が付いているのも安心
お次はディーラーだ。そのクルマを直接販売していなくても、同一メーカー、ブランドであれば点検整備や修理は受け付けてくれる。
自分のクルマが現行モデルではなくなると、代替えを薦められるとか、なんとなく敷居が高いとかディーラーへは足が遠のく人も少なくないが、もちろんディーラーでメンテナンスを受けるメリットはある。
まず保証対象での修理やリコールの対応ができるのは、ディーラーだけだ。リコールというと使用者にハガキでお知らせが来て、ディーラーに行くだけだと思っているだろうが、実際にはリコール扱いにならないリコールというものもある。
通称サービスキャンペーンと呼ばれるもので無料点検として入庫されたり、車検整備の時にユーザーが気付かないまま改善されていることもあるので、ディーラーに入庫歴があることは大事だったりするのだ。
それにディーラーでの整備や修理には保証がある場合が多い。勘違いしてほしくないのは、街の整備工場での修理は保証が一切ない、という意味ではない。
整備や修理後に同様のトラブルが起これば、状況に応じて工賃などを免除してくれる工場もある。また純正部品を使えば部品に対する保証が受けられることもある。
最近、よくいわれているのが、ディーラーのサービス現場は若いメカニックが多く、修理のノウハウはあまりなく、マニュアル通りの部品交換をさせられるだけの作業で、メカニックにノウハウが残りにくいこと。
もちろん、これがすべてのディーラーに当てはまるわけではないが、そういう傾向が増えてきているのだろう。
それは昔と比べ部品の管理を簡素化するためにパーツをアッセンブリーで供給するようになっており、パーツ自体も生産効率や信頼性を高めるためにモジュール構造になっていることも影響しているのだろう。
3つめは専門分野のスペシャリストがいる専門店
輸入車ユーザーであれば専門店を利用することも覚えておきたい。整備工場にはメルセデスベンツを専門にメンテナンスする、BMW、ポルシェを専門にメンテナンスするといったタイプの業者もいる。あるいはアメ車専門、欧州車専門といったスタイルで昔から営業を続けている整備工場もある。
またAT専門の修理業者も存在する。変速機の故障は、ディーラーでは基本的にリビルド品への交換しかない(オーバーホールすると作業工賃が跳ね上がり、時間もかかるので結局ユーザーもその方が得)のだが、症状によっては部分修理で対応できる故障もあり、そういった工場に依頼すればディーラーの見積もりよりはるかに低額で修理できる場合もある。
例えば、過去にはエアサスのコントロールモジュールユニットを丸ごと交換するしかディーラーでは修理できなかったものが、特殊なOリング1つで問題を解決してしまった専門店もある。
その修理費用の比較は、あえてここでは書かないが、保証問題などを考えるとメーカー推奨の修理しかできないディーラーではできない解決法といえよう。
昔からやっている整備工場の中には、熟練のメカニック、電装系などのスペシャリストなど、長年の経験と独自のセンスで鮮やかに修理してしまう匠がいることが珍しくない。本当の修理というものを今なお実現してくれるのだ。
実はディーラーの診断機ではトラブルの原因が掴めない、原因不明のトラブルというのも存在し、そうなるとこういうショップに修理を依頼しているケースもあるほどだ。
ただし、その専門店が扱っている車種だからと、何でもメンテナンスはその整備工場に任せっきりなのは、維持費用軽減にはつながらないこともあるので注意したい。
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