旧車バブルの真相PART1では空冷ポルシェ&フェラーリの異常なまでの高騰ぶりを見てきたが、フェラーリや空冷ポルシェのようにトヨタ2000GTやハコスカ、ケンメリGT-Rといった国産旧車も同じように高騰しているのだろうか?
PART2では国産旧車も高騰しているのかを萩原文博氏が検証する!
国産旧車はいつ頃から高騰したのか、その原因は?
その事実を確かめるため、国産旧車を取り扱っている販売店、
ビンテージカーヨシノ(神奈川県横浜市 045-491-7911)とロッキーオート(愛知県岡崎市 0564-66-5488)に取材した。両販売店とも国産旧車が高騰し始めたのは、’13年5月頃からと同じ見解だった。では、この’13年5月に何が起きたのだろうか?
実はこの時、アメリカのクラシックカー専門の会社が行ったオークションで、’67年式のトヨタ2000GTが日本車として最高値となる116万ドル(当時のレートで約1億2000万円)で落札されたというニュースが伝えられた。
同時にトヨタ2000GTはフェラーリ365GTB/4デイトナやランボルギーニミウラと同等の価値があるという世界的な評価を受けたのだ。
それまで国産旧車といえば、日本人だけが楽しむ限られた文化だった。しかしこの日を境にして、国産旧車は世界中から注目されるようになった。さらにその当時、円安だったことが、海外のバイヤーにとって追い風となった。
国産旧車の注目がグローバル化されたことで、日本人だけでなく、世界の富裕層がコレクションするために市場に参入し始めて、円安という恩恵を受けて国産旧車の価格高騰が始まった。まさに’13年がターニングポイントの年だった。
相場はどうなっている?
では、国産旧車すべてが値上がりしているのだろうか。旧車に詳しい賢人の見解は、「国産旧車すべてが値上がりしているわけではない」とのこと。
国産旧車で値上がり、いや暴騰と値動きを示しているのは、トヨタ2000GT、ハコスカGT-R、ケンメリGT-R、そしてコスモスポーツの4モデルだけとなっている。
なぜ、この4モデルなのかというと、海外のコレクターが注目しているからだ。ジャパニーズスーパーカーのトヨタ2000GT。レースシーンで輝かしい結果を残したハコスカGT-R。そのハコスカの血を継いだものの、時代に翻弄され、わずか197台しか生産されなかったケンメリGT-R
そして世界で初めてロータリーエンジンを搭載したマツダコスモスポーツという日本人じゃなくても、惹かれる伝説をもつクルマたちばかりだ。
このなかで最も高騰しているのはトヨタ2000GTで、’10年頃は3000万円程度で販売されていたが、’13年には5000万円から、そして現在は7000万円からと5年間で倍以上も値上がりしている。
ロッキーオートの渡辺さんのもとにはトヨタ2000GTを1億円で買い取ってほしいというオファーがあるというほどだ。
ハコスカGT‐Rは’13年頃までは1000万円以下の物件も流通していた。しかし現在では最低でも1000万円、フルレストア済みのクルマだと2500万円と、5年前の約2倍まで上昇している。
そしてケンメリGT‐R。わずか197台しか生産されなかった希少車ということもあり、5年前ですでに2000万円というプライスだったが、現在は最低で2000万円。ビンテージカーヨシノには2200万円、ロッキーオートには2980万円という物件があり、3000万円台の物件もあるという。
そしてコスモスポーツは2年ぐらい前までは500万円ぐらいで販売されていたが、現在では1000万円とわずか2年で倍まで上昇した。
そのほかの車種ではフェアレディZ432が大注目。限定車のZ432Rはもともと高額だが、5年前には750万円台で販売されていたが、現在では最低でも1500万円。市場に流通している物件は2200万円と、2700万円という高騰を示している。
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