ボルボの主力モデルであるステーションワゴン「V60」、SUVモデル「XC40」とその上位クラスである「XC90」にニューモデルが登場した。
ベストカー編集部による試乗の模様をお届けする。
※本稿は2019年7月のものです
文:ベストカー編集部/西尾タクト(V60 T6)、平野 学(XC40&XC90ポールスター)
初出:『ベストカー』 2019年8月10日号
■ワゴンタイプのV60にプラグインハイブリッドモデルが追加!!
(6月19日試乗)
ボルボの販売の主力であるステーションワゴン。そのV60に「プラグインハイブリッドモデル」の「T6 ツインエンジン」が追加された。試乗の模様をお伝えしたい。
●ボルボ V60 T6ツインエンジン
伸びやかなプロポーションがスタイリッシュなステーションワゴン、ボルボV60。
全長は旧型に対し125mm長い4760mmとなっているのに対し、全幅は15mm狭まった1850mmとしたことで、日本の道でも大きさを感じることなく使えるのがうれしい。
売れ筋は499万円のお買い得価格の「T5モメンタム」だろう。254ps/35.7kgmを発揮する2Lターボはパワフルだし実用性も高い。
だが、今回ボルボが「ツインエンジン」の名で送り込むプラグインハイブリッドも気になる存在。
フロントはマイルドハイブリッドを追加した2Lターボエンジンで駆動し、リアタイヤを87ps/240Nmのモーターで駆動する。
「Pureモード」を選択すれば125km/hまではモーターのみで走行可能(つまり後輪駆動!!)、「AWDモード」を選択すれば常時エンジンとモーターが作動し、電子制御4WDとして走行する。
これまでハイパワー仕様の「T8」のみだったのだが、V60にはエンジン出力を若干ディチューンした「T6」が加わった。
もっともエンジン出力はT5とほぼ同等のため、走行性能に不満など生じるはずもなく、リアモーターの駆動力が加わることでより俊敏なトルクレスポンスが得られて心地よい。
T8よりも70万円安い価格もうれしい。
3時間弱の200V外部充電で40km程度のEV走行が可能なので、日々の通勤などではガソリンを使うことなく走らせられるのも魅力だ。
■よりスポーティに! XC40&XC90に純正ROMチューン「ポールスター」登場!!
(6月28日 XC40に試乗)
日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しているボルボのSUV「XC40」と、その上位クラス「XC90」に、ROMチューンカー「ポールスター」が登場したということでさっそく試乗してきた。
●ボルボ XC40 T5 Rデザイン ポールスター
ポールスターといえば最近では高性能EVを手がけるボルボのブランドという位置づけになっているイメージが強いのだが、以前からレーシングで培ったテクノロジーをボルボ車に注ぎ込んだコンプリートカーも手がけている。
そんなポールスターがボルボの標準車に用意するプログラムが「ポールスター・パフォーマンス・ソフトウェア」。
このプログラム、要はパワーとトルクを向上させるROMチューンなのだが、メーカーが用意するだけあり新車保証が適用されるのが嬉しいところ。
ほぼすべてのボルボ車に用意され、例えばT5エンジン(2Lターボ)はノーマルの最高出力254ps/最大トルク35.7kgmから261ps/40.8kgmに向上する。
今回の試乗では、ノーマル車とポールスタープログラムがセッティングされた車種の両方を乗り比べてみた。乗ったのはXC40 T5のRデザインとXC90 D5の2車種。
西湘バイパスから箱根ターンパイク頂上の大観山までを途中で乗り換えて走ったが、最も違ったのがアクセルレスポンス。
ノーマルでも充分にパワフルなエンジンなのだが、ポールスターチューンのほうはターンパイクのキツい上り坂でアクセルをべた踏みした瞬間のパワー感が違う。
この日の試乗ではディーゼルのXC90 D5にも乗ったのだけど、もともとボルボのディーゼルはスポーティエンジンという位置づけだけに、ガソリンエンジンよりポールスターチューンの効果が実感できなかったのが残念。
ちなみに価格はすべての車種で工賃税込み18万8000円。新車でボルボ車を買った人が次の車検時までに導入するのがいいかもしれない。
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