毎日新車ディーラーを回って「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。今回まずは、トヨタの車種統廃合についての新情報、そして全車種扱いへの反応について。
また、今年後半に登場が予定されているホンダフリード、フィット、ダイハツの新型コンパクトSUVについての新情報、さらにタント売れ行き絶好調! の報もお届け。
※本稿は2019年7月のものです
文:遠藤徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年8月10日号
■プレミオ/アリオンは2020年中盤にモデル廃止か?
今年、9月17日にカローラセダンがフルモデルチェンジし、2020年5月にはトヨタブランド車が全国的にトヨタ系列店全店扱いとなります。
これによって小型セダンのプレミオ/アリオンはモデル廃止となるようです。
次期型カローラセダンは3ナンバーサイズに拡大し、パワーユニットは1.2Lターボ&1.8Lハイブリッドを搭載します。
トヨタ系列店が統合し、全店併売となればプレミオ/アリオンの存在価値がなくなるのでモデル廃止となります。
同じ頃、コンパクトハイトワゴンのポルテ/スペイドも廃止、ほかのミニバン、コンパクトワゴンの姉妹車も1本化が次第に具体化することになりそうです。
■来春、トヨタ全車種扱いへの各販社の受け止め方は複雑
トヨタ販社は2020年5月1日から全系列店で、全トヨタ車併売体制に切り替えます。
今年4月から東京地区が全店での全車種販売を先行して実施に踏み切っているわけですが、東京と東京以外の地域では基本的に体制が違います。
東京は一部を除いて大半がメーカー資本のため、各トヨタ販社は合併し同一会社になり、販売のテリトリー分けをしており、そのなかではトヨタ車同士の競合はありません。
ところが東京以外の地域は多くが地場資本であり、複数の別会社が存在し、これらは資本統合をすることなく、2020年5月1日から全トヨタ車を扱うようになるわけです。
全トヨタ車が扱えるようになるため、それは各販社にとってメリットになりますが、一方で別資本会社との競争はかえって激しくなり、値引き競争が激化します。
これまでトヨタ店はクラウン、ランドクルーザー、トヨペット店はハリアー、アルファード、カローラ店はカローラ、ノア、ネッツ店はヴィッツ、ヴェルファイア、ヴォクシーの各専売車があったため、これらは独占的な収益につながりました。
しかし、これらの車種は今後、ほかの販社も扱うので、そのメリットはなくなります。
代わりに全トヨタ車を自由に売れるようになるので一時的には販売はプラスのほうが大きくなりますが、トヨタ車同士の競合によって生き残れない負け組の販売会社が出てくる恐れがあります。
■フリードを11月にビッグマイナーチェンジ
ホンダはフリードを11月にもビッグマイナーチェンジする予定です。
内外装のデザイン変更と同時に先進安全装備「ホンダセンシング」の改良が主なマイナーチェンジのポイントで、2列シート車の「フリード+」にはSUVテイストの「クロス」仕様を設定します。
これによってトヨタのシエンタを抜き、同クラスのトップセラー奪還を目指す構えです。
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