■プリウスとノートが登録車の1位を入れ替えた理由
ノートはe-POWERを加えて2017年に売れゆきを伸ばしたが、登録車(小型/普通車)の順位はプリウスに次ぐ2位であった。
しかし2018年はプリウスが対前年同期比で28%減って3位に下がり、1位にノート、2位にはアクアが繰り上がった。
2019年上半期はプリウスが再び盛り返し、対前年同期比が9.8%増えて登録車1位を奪回。プリウスは2018年12月に改良を行い、不評だった内外装を変更して、通信機能の追加なども行ったのが奏効した。
またノートが対前年同期比で6.6%下がったことも影響している。デイズがフルモデルチェンジを行い、ノートの需要を奪った影響もある。
ただしプリウスとノートの台数格差は半年間でわずか1734台だから、今後ノートが再び1位になる可能性もある。
■C-HRが対前年同期比で21.4%下がった理由は?
C-HRは2016年末に登場して、2017年上半期に7万9303台を登録した。登録車の順位も、プリウスとノートに次ぐ3位だった。
ところが2018年上半期には半減して、2019年上半期はさらに21・4%減った。台数は3万2221台だから、2年前の約40%にとどまる。
C-HRの販売が急落したのは、実用性よりもデザインなどの趣味性で選ばれるクルマだからだ。
スポーツカーと同様、ユーザーは「欲しい!」と思えば、愛車の車検満了時期に関係なく即座に買う。従って発売直後は売れゆきを急増させ、その後は急落する。
逆に実用重視の車種は、車検満了時期に乗り換えるから、新型車の販売は一気には伸びない。その代わり魅力的な車種は長く安定的に売れる。
例えばN-BOXは先代(初代)モデルを2011年末に発売したが、軽自動車の販売1位になったのは2013年、今と同じ総合1位は2017年が最初であった。
■2019年上半期の国産車MVPは?
注目車はタントだ。2019年7月に一新したから上半期はモデル末期だったが、割安な特別仕様車の「VS」を設定して、売れゆきを対前年同期比で11.2%増やした。
販売会社が自社で届け出して、中古車市場に放出した車両も相応に含まれるが、特別仕様車を含めてタントの人気は根強い。
新型タントの開発者は「先代型が予想外に売れていて……」と複雑な表情であった。
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■2019年下半期 上位にランクインしそうなのは?
(TEXT/遠藤 徹)
登録車はカローラ、フィット、セレナ、フリード、ヴィッツの5車種がランクアップしそうだ。フルモデルチェンジは今年9月カローラ、11月フィット、2020年は2月ヴィッツ(ヤリス)が予定している。
マイナーチェンジは今年8月セレナ、10月フリードが実施する。フィットは登録車のトップ奪還を目指すに違いない。フリードはSUVテイスト仕様を加えるのでこれまた注目だ。
軽自動車はタントとN-WGNがいずれも今年7月にフルモデルチェンジし、ヒットしそうな状況だから来年も上位浮上が濃厚となっている。
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