アウディのSUVシリーズ「Qシリーズ」から初のクーペQ8が登場。試乗の様子からお届け。またポルシェからは新型ポルシェ911にカレラ、カレラカブリオレが登場。本国ドイツでの発表の様子などからお届け。
※本稿は2019年8月のものです。アウディQ8の試乗日は8月6日です
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年9月26日号
■アウディ初のSUVクーペはゆったりかつスポーティ
●7月に日本上陸したアウディのNEWフラッグシップSUVに試乗!
「Qシリーズ」の名称でSUVモデルを展開しているアウディ。日本では2006年に導入したアウディQ7を皮切りに、Q5、Q3、Q2と4モデルをラインナップしているが、今年7月に新たなSUVとしてQ8が日本に上陸。さっそく、その試乗会が行われた。
Q8はその名の数字からわかるとおり、Qシリーズの新しいフラッグシップ。だが、それだけではなくアウディ初のSUVクーペでもあるまったく新しいモデルだ。
■アウディQ8 55 TFSI クワトロ デビューパッケージ ラグジュアリー 主要諸元
・全長×全幅×全高:4995×1995×1690mm
・ホイールベース:2995mm
・車両重量:22a10kg
・エンジン:V6 DOHCターボ+48Vハイブリッド
・排気量:2994cc
・最高出力:340ps/5200-6400rpm
・最大トルク:51.0kgm/1370-4500rpm
・ミッション:8速AT
・サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン式
・JC08モード燃費:10.3km/L
・価格:1102万円
世界的にも高い人気を集めている大型SUVクーペでは、BMW X6が2008年に、ベンツGLEクーペが2015年に、それぞれ登場。
Q8はこれら競合モデルからは後発とはなるが、満を持してアウディからもフルサイズSUVのクーペが登場したというわけだ。
そのボディサイズは、全長4995×全幅1995×全高1705mmで、日本では巨体だがワールドワイドではとても売れているクラスだという。Q8のベースはQ7で、そのQ7と比べると、全長は75mm短く、全幅は25mm広く、車高は30mm低い。まさに「ワイド&ロー」で、クーペフォルムであることがわかる。
そして、試乗会のブリーフィングで、アウディのプロダクトプランニング課マネジャーのドミニク・ヴァーンズ氏がQ8のウリとして一番に挙げたのがスタイリングだ。
後方に向かってなだらかに低くなるルーフラインと窓枠のないフレームレスドアによってクーペのような伸びやかなフォルムを演出。それに、特徴的なのはフロントマスクだろう。新たなQシリーズのアイデンティティとして採用した8角形グリルが迫力ある顔つきを作り出している。
●なんとマッサージ機能もあり!? ラグジュアリーで落ち着いたインテリア
一方、インテリアはさらに未来的といった印象だ。メーターパネル、インパネ中央、そしてセンターコンソール上部と3つの液晶ディスプレイを採用。
イグニッションをオンにすると、ディスプレイが一斉に輝き、このタッチパネルによるエアコンなどの操作性も慣れるとなかなか使いやすそうだった。
なお、居住性は全高が低いクーペだからとはいえ、大きいボディサイズだけに後席も余裕の広さだ。
搭載するパワーユニットは、340ps/51kgmを発揮する3L V6DOHC直噴ターボで、これに48Vマイルドハイブリッドの組み合わせ。
トランスミッションはトルコン式の8速AT。これに前後トルク配分が40:60を基本とするセンターデフ式クワトロシステムの4WDが搭載される。
●ボディは大きいが山道も機敏にこなす
今回試乗したのは長野県の長野駅から白馬村、それに白馬村周辺という一般道。
市街地から緩やかな高低差が続く山間を抜ける国道や県道をメインに走ったが、はじめに印象に残ったのは静粛性の高さと適度にゆったりとした乗り心地。
試乗した車両は20インチタイヤを履く「デビューパッケージラグジュアリー」で、22インチタイヤを履く「デビューパッケージSライン」よりもソフトな乗り心地だったからかもしれないが(Sラインは未試乗)、アダプティブエアサスペンションのモード切り替えを「コンフォート」にセットすると乗り味はよりソフト。
通常の「オート」モードでも、道路のつなぎ目などの凹凸による上下動を抑え込んでくれるような上質さがあって快適だ。
3L V6のガソリンエンジンは、出だしや山道の登り坂ではもう少しだけトルク感がほしいという場面もあったが、日常的な走りでは充分な動力性能で不足なし。今回は試乗できなかったが、高速道路では余裕のあるクルージングが楽しめそうだった。
その一方で、大きなボディのわりにステアリングの応答性が高く、思いどおりに曲がってくれるので、コーナリングも楽しめた。
パッケージオプションに設定されるオールホイールステアリングによるものもあってか、試乗中に迷い込んでしまった幅の狭い山道のタイトコーナーもけっこう機敏に走ることができたのだ。高速道路のクルージングももちろん快適だろうが、Q8は山道も意外と楽しい。
なお、Q8は欧州では3Lディーゼルエンジンも設定されているというから、このディーゼル搭載モデルの日本導入も期待したい。
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