自動運転=手放し運転? 迫る自動運転時代。そこに潜む誤解と危険

自動運転化で仕事を失う人も発生する

 「社会への影響」は多岐にわたる。企業は人件費削減の観点から、将来的には運転の自動化を追い風にタクシーやバスのドライバー、さらには物流業界のドライバーを削減する。

 これは超高齢社会のドライバー不足解消にとって朗報ながら、職を失う人が一定数発生するため問題となるだろう。

 また、完全なる自動運転社会になれば交通事故の激減が期待できるいっぽうで、手動運転車や二輪車、歩行者との意思疎通が難しく、これまで想定していなかった事故形態が発生する可能性がある。

 加害者/被害者の立場をどのように認定していくのか。これには道路交通法の改正から、自動車保険制度の見直しなどが迫られる。技術だけが先行した社会に発展は望めない。

Shaping Future Transportation 2015– Campus Safety – Mercedes-Benz Future Truck 2025 ; Shaping Future Transportation 2015– Campus Safety – Mercedes-Benz Future Truck 2025;
こちらはダイムラーの自動運転トラックのコンセプトカー、「Future Truck 2015」の車内の様子。これは、あくまで「こんなこともできますよ」という“提案”だが、実際にこのシーンを実現させるためには、クリアしなければならない技術面以外のさまざまなハードルがあるのだ。

 自動運転は大きな可能性を秘めている。過去もそうだったように、今まで世の中になかった技術が発展していくことは、夢のあることだ。だからこそ下記にまとめたような問題点を、ひとつひとつ考えていくことが、やがては「クルマ好きがもっと楽しめるクルマ社会」につながるのではないだろうか。

そのほかに考えられる自動運転の問題点

  • ・自律自動運転専用車の運転免許は必要かどうか
  • ・自律自動運転の定義づけの明確化
  • ・自律自動運転時の飲酒運転
  • ・既存のクルマ(手動運転車)を、いかに自動運転車と馴染ませるか
  • ・システムが不具合を起こした際の診断システム
  • ・路車間通信センサーの敷設費用とそのメンテナンス費用の確保

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