【道路の進化】 排水性よし、騒音低下、遮熱もできる最新の舗装技術とは

いまや8割超が高機能舗装へ移行

 排水性のよさ、騒音低減にも効果がある高機能舗装は、いつから採用され始めたのか? 高速道路各社に取材を進めると、その歴史は意外にも長いことが判明した。

 高機能舗装の正式採用開始はNEXCO中日本管内では1998年から、NEXCO東日本では1999年と、今から15年以上も前。

 加えてNEXCO西日本によれば、1989年に東北自動車道で試験採用されたのが初めての事例とのことで、試験採用まで含めると今から25年以上前まで遡ることとなる。

 さて、約25年前に初めて試験採用された高機能舗装は進化を遂げ、2003年頃には高機能舗装II型が導入されるようになる。

 そして、2010年度には高速道路全体の道路延長に対して71.0%を占め、さらに2015年度にはNEXCO中日本管内にかぎっては約86%を占めるまでに普及。

 古くからある道路も含めてこの数値なのだから「新設道路では高機能舗装がかなりの割合を占めています」とNEXCO中日本広報担当者もいうように、新しい道路ではほとんどすべてが高機能舗装といえるほど高い採用率となっている。

路面温度が10℃も下がる「遮熱性舗装」も採用が進む

 一般的に高機能舗装と呼ばれるのは、排水性のよさと騒音の小ささを兼ね備えたモノだが、これ以外にも優れた機能を持った舗装はある。そのひとつが「遮熱性舗装」だ。

 日本道路建設協会に問い合わせたところ、しくみは「ガラスのビーズのようなものを入れた塗料を通常の舗装の上に塗布する」というじつにシンプルなもの。

 そして、その“ガラスビーズ”に太陽光が当たると、赤外線が反射し、路面温度が下がる。これで約10℃も路面温度が低下するというから驚きだ。

 しかも、散水が不要でそのぶん維持・管理コストも抑えられるというメリットも併せ持っている。

 この遮熱性舗装の技術は2000年代半ばには確立され、2010年頃にはヒートアイランド現象が顕著な東京都心部を筆頭に実用化が開始されたという。

 見た目の特徴は“色”。通常の舗装よりも明るめのグレーになっているので、比較的容易に見分けが付く。

 代表的なところでは、皇居前の国道1号線や、銀座の国道15号線、新橋の環状2号線(=通称マッカーサー道路、メイン写真)にもすでに採用されるなど、遮熱性舗装も徐々にメジャーな存在になってきているのだ。

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 いっけん目立たないけれど、道路の舗装技術は着実に進化を遂げている。日々のドライブ中、こうした舗装に意識を向けてみると、その進化をより実感できるに違いない。

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