■下水処理場一カ所で、なんとFCEV60台分の水素ができる!!
本郷…今、トラックも自動運転技術を進めていますが、それがFCEVになると、物凄いことになりそうですね!!
池田…自動運転の話をすると……。例えばスマホ。時折、一瞬繋がらない時がありますよね。でも、クルマの自動運転でそれがあってはダメ。1/100秒のレベルでも通信が途切れると、危険で使えないということになります。こういう課題のなかで現在開発中なんですね。
で、効率化の話に舵を切ると、みなさんの生活にかかわる「下水」。水素を作れるんですよ。下水にある汚水は栄養だらけで、メタンガスを発生し、水素に変換できる。現状、日本では各家庭から下水処理場まで運ぶ回収ルートはできている。排物利用で水素を作れれば、各自治体が有効活用できますよね。
西川…どれくらいの量の水素を作れるんでしょうか?
池田…下水処理場一カ所でFCEV60台ぶんの水素ができ、かなり効率的です。
本郷…トヨタさん、水素のバーナーもやられていますよね?
清水…はい。車両だけでなくどんどん広げていこうという方向。例えば、水素燃料のグリルで焼いたお肉。プロのコックさんも「凄く美味しい」と。水素って、燃やすと基本的に水蒸気になり、燃焼温度が高い。だから、外側はカリッと焼けて中がしっとり。
西川…水素はいろんなエネルギーへの変換の可能性があるので「こんな風に使えるんだ」ということも、僕は伝えたいです。例えば、今目の前に並ぶキッチンカーで、水素燃料で作った料理を出していただく、とか。一般の方も水素が身近に感じると思います。
■「新鮮な電気なのでギターの音が変わる!!」(有名ミュージシャン)
清水…実際に有名ミュージシャンのライブで、ミライから供給された電気でギターなどの楽器演奏をしてもらっています。そのミュージシャンいわく、「音が変わる」と!!
本郷…えっ、ホントですか!?
清水…発電所から高圧電線を通ってくる間に、多少劣化する傾向があるそうですけど、ミライから直接電気を取り出すと「新鮮な電気」なのできれいな音になる! とのこと。
池田…でも水素だけじゃなく、化石燃料含めて、どのエネルギーにも特徴がある。だから今、「マルチパスウェイ」がうたわれている。どれにもリソースを割いて生き残らせていく。でも、振り返るといっぱい産んでいっぱいなくなっていく歴史がある。結果的に生き残ったものが新しい「未来」となるわけですね。
清水…水素があれば電気も作れるし、eフューエルなどにも変換可能。水素がベースともいえます。原子記号も1番ですから!
「敵は炭素」で、内燃機関でなければ、ガソリンでもない。いかにこの空気中に放出する炭素を増やさないかということが我々(自動車業界)の使命だと思います!
■トヨタのブース展示は?
カーボンニュートラル実現のための手段はBEVだけではない! 「マルチパスウェイ」で切り拓こうと提唱するトヨタ。数多くの道筋のなかで「水素」に絞り込んだブース展示は、場内の人を引きつけるのは充分。
カットモデルも展示され、驚きとわかりやすさが印象に残るブースだった。
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