「いつもと変わらない毎日」「刺激のない日常」を冒険にするには……。あえてややこしいクルマを選ぶことも必要だろう。高揚感を得てこそ冒険のはじまりだ!
選・文:中村孝仁
BestCar PLUS 2016年5月18日号
冒険は走破性だけが大事なわけじゃない
僕が青春していた1960年~1970年代頃、クルマの存在は今よりはるかに重くて、重要なものだった。
でも、現代の若者だって当たり前のようにクルマの世話になっているだろう。はっきり言って、まだまだクルマがなければ行きつけない場所が日本にもあるし、世界に目を広げれば、そんなところは当たり前にゴロゴロある。
だからクルマは今もわれわれにとって一番身近で、大切な冒険のツールと言ってもよいだろう。
18歳で免許を取ってこれまで、45年もクルマの世話になってきたが、思えばずいぶんと刺激を受け、感動を貰った。
オーストラリアで初めてランドローバー・ディスカバリーの試乗会に行った時、彼らが設定したテストコースは、これまで一度として走ったことのない難所。
だがそこを走破した時、このクルマはサバイバルツールになる! と思ったものだ。同じ経験はジープでもさせてもらった。
オープンカーはこれまで2台所有したことがあるが、どちらのケースでも、バイクに近い爽快感と得も言われぬ気持ち良さを味わった。
かつてキャデラックを所有したことがある。まだまだ、芸能人御用達感が残っていた時代だから、所有しているだけでとてつもない高揚感を味わったし、そのV8による圧倒的なスムーズさと静粛性に感動を覚えたものだ。
まあいずれも個人的な感覚かも知れないが、自動車とはこんなような感動や爽快感あるいは高揚感を与えてくれる。尖ったクルマであればあるほど、毎日の生活にインパクトを与えてくれる冒険的存在だ。
一度ハマってみて欲しい。
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