マツダは、1980年代の頃から日本車のなかでは数少ない欧州でも人気の高かったメーカーだ。
欧州での受賞歴も数多く、クルマに対する目の肥えたあちらで一目置かれているイメージがある。なぜなのだろうか? その秘密を探ってみた。
初出:ベストカー2016年5月26日号
ロードスターはワールド・カー・オブ・ザ・イヤーも獲得!
まず欧州での販売比率を国産メーカーごとに見てみよう。2015年度の第3四半期までのデータだが、全販売台数のうち欧州市場が占める割合はトヨタ9.5%、日産13.9%、ホンダ3.3%に対しマツダは16.0%とダントツの多さ。
イメージだけでなく、やはり実績も残している。
欧州市場でマツダ車の評判がいい理由を、フランスのAutomobile誌編集部のアレキサンドラさんに聞いてみた。
「欧州におけるマツダ車のシェアはたいしたものではありません。2015年は全体で1.5%、フランスでの国内シェアは0.44%しかありません。トヨタ、日産に比べても販売台数自体はごく少数です。
しかし、欧州のクルマ好きにマツダ車の人気があることは確かです。Automobile誌が年に一度出している『ベストカーズ』というジャーナリストや消費者が投票する本があるのですが、マツダは『ベストブランドイメージ』のなかで12位にランクインしています。
一見すると低い順位に見えるかもしれませんが、販売台数のランキングが24位ということを考えると、かなりのギャップがあります。
おもな理由としてはクルマの性能よりもデザイン、コストパフォーマンスの高さ、そして信頼性の高さが挙げられます。
しかしMX5(ロードスター)に関しては話が異なります。あのクルマのイメージは欧州で抜群にいいのです。運転するのが好きな人は絶対に好きと言ってもいいくらいのイメージです。
そんなMX5が2016年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したことは欧州のクルマ好きとして嬉しく思いますし、まだ一般的な知名度は低いマツダの欧州での発展の足がかりになるかもしれません」
マツダの欧州での立ち位置がよくわかるコメントだった。
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