国産車と輸入車の新車価格を比較してみると、「日本のクルマもずいぶん高くなったなぁ」と感じることはないだろうか。
では、実際に昔と比べて国産車の値段は上がっているのか? 調査を進めると、興味深いある傾向が見えてきた。
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年2月10日号
1000万円超の国産車と200万円台のベンツ、BMW
GT-RのNISMOは1870万200円、レクサスLSで一番高いのは1595万4000円、NSXは、目玉が飛び出す2370万円というプライスだ。
いっぽう輸入車は、高級車の代名詞だったメルセデスや、BMWがフルラインアップメーカーへと変身した今となっては、ベンツA180スタイルが298万円、BMW118iも298万円で買えるなど激安のイメージを醸し出している。
こうした輸入車の事情もあり、相対的に国産車は高くなったという印象を持たれることになる。
意外にもベーシックモデルは高くなっていない
では実際、昔と今のクルマの価格を比べてみると、どうなのかを検証してみよう。
手元に集めたのは今から45年前の1972年の新車価格のデータ。国産車の代表はクラウンとカローラ。そして、輸入車の代表はVWのタイプ1ビートルだ。
45年前とは物価が違うので、サラリーマンの平均年収をベースに補正の係数を求めてみると、係数は4.1と計算された。
つまり45年前は1000円で買えたものが、いまは4100円出さないと買えないということ。
この係数を当時の車両価格に掛けてみると、計算された結果が下の表だ。
結果的にはビートルの場合は現行のザ・ビートルの価格帯のほうが40万円ほど安い設定になっている。
いっぽうクラウンは上級モデル同士の比較だと36万円の差はあるものの、エントリーモデルは現行のほうが4万円高いだけということがわかる。カローラも現代のほうが安い。
つまり、この例を見ると、大衆車クラスでは45年前よりも価格は安くなっているが、上級モデルほどアッパー価格が上がっていることがわかる。
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