テスラより先に日本で誕生した8輪EV「エリーカ」を覚えているだろうか。2004年、慶應義塾大学の清水浩名誉教授が生み出した革新技術は、一度は量産の夢を絶たれたが、その情熱が復活することになった。今度こそ、未来のクルマ像を塗り替えるかもしれない!?
文：ベストカーWeb編集部／写真：GSアライアンス、SIM-Drive（タジマ次世代モビリティ事業部）
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伝説の8輪EV、エリーカの衝撃
2004年、世界を驚かせた8輪EV「Eliica（エリーカ）」は、インホイールモーターを搭載した世界最高峰の技術を誇るクルマだった。0→約160km/h加速でポルシェ911ターボを上回り、最高速度は370km/hというスーパーカー顔負けの性能。当時の小泉純一郎元首相が試乗し「エネルギー革命、産業構造改革だ」と絶賛、元F1レーサー片山右京氏も「すごい加速が途切れることなく続く」と驚きを隠さなかった。
しかし、車体形態を根本から変えるインホイールプラットフォームは既存自動車産業にとって高すぎるハードルだった。協力者不足と資金難も重なり、量産化は叶わず。世界初のEV量産メーカーの座は米テスラ社へと渡った。
技術の進化と復活プロジェクト
インホイールモーターは効率性や設計自由度、航続距離向上など多くの利点がある一方、ばね下重量増や振動への弱さ、コスト高といった課題もあった。しかし清水氏は改良を重ね、現在では多くの問題を克服。公道走行可能な試作車も9台認証を取得している。
今回、脱炭素分野で最先端技術を開発するGSアライアンス株式会社が、清水氏の技術を用いるEVメーカー「e-Gle Tech」を設立。インホイールモーターとバッテリービルトイン式フレーム、さらに同社の先端バッテリー技術を組み合わせ、航続距離の大幅延長と低価格化を狙う。将来的にはモーター性能を左右するネオジム磁石やインバーターの研究、ペロブスカイト太陽電池や白金レス燃料電池との融合も視野に入れる。
ちなみにインホイールモーター技術は既存の4輪にも対応できるとのこと。とはいえ見た目の衝撃度からいえば、「幻の8輪EV」が再び走る姿をもう一度見てみたいものだ。
コメント
コメントの使い方BEVは内燃機関自動車より、歴史は古いよ。日本でも戦前から販売されてたし、戦後たまでんがBEVを製造販売してたけどな。エル－ガがBEVの元祖だなんて聞いてあきれる
エリーカが８輪にしたのは、当時インホイールモーターの出力が限られていた為、車両全体の出力を上げるには車輪の数を増やすしか無かったからだ。
現在の技術ならば、４輪でも当時のエリーカと同等の出力は出せるのではないか?
ただし、同じ総合トルクを出した場合にタイヤの接地面積が小さくなっていると、同じ加速力が出せるかは分からないが。