近年、古いオービスが更新されないまま放置されているのを見かける。特に昔ながらのボックスタイプのレーダー式オービスのなかには、すでにボロボロで稼働しているのかどうかも怪しいものも多い。
こうした古いオービスは、もはや単なる“こけおどし”程度で、取り締まりには使われていないのだろうか?
文:ベストカー編集部、WEBベストカー編集部
ベストカー2016年10月26日
古いオービスの先に注意!
オービスの形は、おおざっぱに分けると、3つのタイプがある。ボックスタイプのオービス(レーダー式、ループコイル式)、白いハンペン型の新Hシステム、小さなカメラのLHシステムである。
なかでも古い歴史があるのが、ボックスタイプで、稼働しているのかどうかが定かでないほど、年月が経っているものもよく見かける。
ではこれらが機能しているかのか、警察に直当たりしても当然相手にされないので、警察事情に詳しい周辺関係者に聞いてみた。
「これはもう、ほぼ今は動いていないと考えていいと思いますよ。というのもこのタイプのオービスが採用されたのは1980年代前後でして、交換式の写真フィルムが装填されています。
ですが、定期的にフィルムを交換しないといけないことに加え、故障した際にもけっこうな撤去費用がかかることなど、警察予算の都合で、事実上放置されたままになっているんです」
ボックスタイプのオービスの中には、フィルム式からデジタル式にカメラが変更されているものもあるようだが、レーダー式のものはほとんど更新されていない。
しかし積極的に撤去されていないのは、費用面以外にも理由がある。機能していないオービスでも、ダミーによる速度違反の抑止効果が大きいからだ。
そうなると、この手のオービスを見かけてもアクセルをゆるめる必要はないってことなのだろうか?
実は、近年LHシステムがボックスタイプオービスの後方1㎞以内に設置されているケースが目立っている。ボックスタイプに油断していると、最新のLHシステムでヒットしてしまうというわけだ。
では、なぜもとのオービスの後方にLHシステムを設置するのだろうか。可能性として考えられるのは、ほぼ同じ箇所にLHシステムを配置することで、もともと設置されていた速度違反の事前警告標識をそのまま活かすことができるからだろう。
これなら新設のコストを抑えながら、さらにLHシステムの設置位置が広まるまでは、しっかりと違反者を取り締まることができる。
というわけで、古いボックスタイプのオービスをやりすごしても、要注意! もちろん安全運転は当然なのだが。
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