プロトタイプマシンはキープコンセプトが多い!?
今回のイベントで走行したプロトタイプマシンのひとつがトヨタTS010(1992年式)。
昨年惜しくもル・マンで優勝を逃したトヨタTS050の祖先にあたるモデル。もちろんTS050ではハイブリッドを搭載するなど、中身はまったくの別物ではあるが、今回は外観だけ少し比較してみたい。
TS010(上画像)はマシン先端部がかなり薄く、いかにも空気抵抗が少なそうで新幹線のような印象も受ける。コックピットも戦闘機のキャノピーのようだ。
最新型のTS050(下画像)を見ると先端部はクジラの頭のようなヘッドライトが鎮座しており、またキャノピー後ろにはスピン時に回転することを防ぐためのシャークフィンとよばれる板もある。
一見すると空気抵抗になりそうな部分だが、最新の解析技術で理論上ギリギリの空気抵抗を狙っている。
またTS010で特徴的なものが”スパッツ”と呼ばれるリアホイールのカバー。80年代に流行したもので、ル・マンのサルトサーキットの長い直線での空気抵抗を考えたものだ。
しかしタイヤ交換でもスパッツを外す必要があるなどデメリットも多いことから、現代ではほとんど見る機会がない。
この両車、比較してみると”似ていないようで似ている”。リアホイール後ろのなだらかな曲線の処理、コックピット周辺のラインなどはかなり似ているといえる。
もちろん細かく見ればかなり差はあるのだが、極限まで煮詰めるとマシンは似てくるということもいえそうだ。プリウスやインサイトなど、空気抵抗低減を追い求めるとエコカーが似てきてしまうのが好例かもしれない。
”なんとなく似ている”とは言っても、マシンの空力の開発は日進月歩。F1などでは2017年シーズンのスタート段階で、もう2018年用のマシン開発はスタートしている。
結果として見ると微々たる差かもしれないが、その差に気付くのも楽しい。
空気の流れや形の意味を考えながらマシンを見る、これもモータースポーツファンへの第一歩かも!?
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