売れている車には売れているだけの理由がある……のか?
本企画では、2017年上半期(1〜6月)の累計販売台数トップ3の車にスポットを当て、どれくらい売れたのか、どんな理由で売れたのかをチェックします。
いい車だというのは大前提なんですよね。日本には売れてなくなっていい車がたくさんあるんだから。その上で「何か」があるはず。その「何か」を探ります。
文:ベストカーWeb編集部 写真:池之平昌信、平野学
■3位 トヨタC-HR 2017年1〜6月累計販売台数79,303台
2016年12月に発表・発売して以来、大ヒットを続けるC-HR。
世界的なクロスオーバーSUVブームを背景にしているとはいえ、これまで何度も都市型の小型SUVはヒットを飛ばしてきた(エスクードしかり、RAV4しかり、ジュークしかり)。
さりとてC-HRがひと味違うのは、2017年4月に車種別(登録車部門)月販台数ランキングでSUVとして初めて1位を獲得したところ。
これまで先輩SUVたちがなし得なかったことを、成し遂げたわけだ。
燃費もいい。スタイルも新しい。走行性能も高い。
それに加えて、C-HRは「現在、日本で販売されている全SUVの中で一番多くの店舗で売られている」という強みも大きなアドバンテージ。トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4系統あるなかで、全店舗扱い車種(プリウス、アクア、SAI、シエンタ、86)のうちでSUVはC-HRのみ。
もちろん車としての性能が大変高くて、売れるだけの理由があるのだけど、こうした「圧倒的な販売力」も、C-HRの成功の大きな要因のひとつといえる。
なお賛否両論あるデザインだが、本企画担当はけっこういいんじゃないかと思っています。最初はギョッとしたけど、SUVってあれくらい尖っていたほうがいいですし、案外見慣れると大人しく見えてくるものでした。はい。
■2位 日産ノート 2017年1〜6月累計販売台数84,211台
現行型ノートの発表発売は2012年。しかしご承知のとおり2016年11月に日産独自のシリーズ式ハイブリッドシステム「e-POWER」を追加設定したところ、これが爆発的な売れ行きを見せ、全国の日産ディーラーにお客さんが舞い込んできた。
なにしろe-POWER設定直前の2016年10月時点のノートの月販台数は1769台で登録車ランキング30位。
それが翌11月に追加設定するといきなり15,784台を売り上げて月販ランキング1位を獲得(日産車として月販ランキングトップはB12型サニー以来30年ぶり)。まさに「事件」と言っていいだろう。
その後も順調に販売を伸ばし続け、2016年12月は2位、2017年1月に再び1位、2月は2位、3月1位、4月3位、5月3位、6月4位とベスト5から一度も落ちない売れっぷり(参考までに、2017年7月も1位を獲得)。
売れる理由はいろいろあるが、最大のポイントはやはり独特のアクセル(ブレーキ)フィール。駆動力はモーターとなるため、アクセルペダルを離すと回生が発生して減速する「ワンペダルドライブ」(日産の開発者によると、この減速フィールにものすごく気を遣って調整したそう)が気持ちいい。
トヨタやホンダの関係者も「その手があったか」と言っておりました。
また日本には「日産車だけを乗り継いでいる」という家庭が案外多くて(近所に日産ディーラーがあり、もう何十年もそこで車を買っている)、そういう人たちにとってノートe-POWERは(価格もサイズも)「ちょうどいい」という点も見逃せないポイントだと本企画担当は思っております。
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