2017年12月11日に発表された「日本・カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018」。
今年度(2016年11月1日〜2017年10月30日)に日本国内で発表された新型車(国産車、正規輸入車)のなかで、「代表となるクルマ」を(自動車ジャーナリストを中心とした)60名の選考委員の投票によって選ぶこの賞。
今年のイヤーカーに輝いたのは、ボルボXC60でした。
輸入車としては「2013-2014」にVWゴルフが獲得して以来、史上2回目。投票結果で1位と2位(BMW5シリーズ)をともに輸入車が占めるのは史上初でありました。
いやー……。ボルボXC60です。大変よいクルマであることは間違いないのですが、それでも「日本」カー・オブ・ザ・イヤーです。
今年度の本命と言われていたのは日産リーフでしたが、その日産が(スバルとともに)完成車試験問題で同賞のエントリーを辞退したことも大きな要因とはいえ、トヨタやホンダやマツダ、スズキやダイハツといった日本を代表する自動車メーカーが数多くの新型車を発売してなお、1位と2位が輸入車。
この結果に不満があるわけでは決してありませんが、事情や要因はぜひ知りたい。そんなわけで、日本・カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員であり、今回も実際に投票したジャーナリストの渡辺陽一郎氏に、何に入れたのか、そしてボルボの勝因は、さらに日本車勢の敗因はなんだったのかを伺いました。
文:渡辺陽一郎
■イチオシはトヨタC-HRだったが……
「大したクルマがないなぁ」
日本カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018の選考に際して、ノミネート車から「10ベストカー」を選ぶ時に落胆させられた。
いずれのノミネート車も商品力は高い。各自動車メーカーが渾身の開発を行った最先端の商品だから、走行性能、居住性、質感、安全装備まで優れた商品が並ぶ。
しかし「日本の」カー・オブ・ザ・イヤーに相応しい「日本で自動車を使う日本のユーザーのために開発された優れた商品」となると、高く評価できる車種が大幅に限られる。
最終的な選考対象になった「10ベストカー」で見ると、日本車でもカムリ、レクサスLC、CX-5は海外向けだ。カムリは走行性能や居住性は優れているが、内外装のデザインは北米の好みを反映させ、ボディも大柄で日本向けではない。
だから私は(実質的な「決勝進出車」である)「10ベストカー」を選ぶ段階で、トヨタではC-HRを推奨したが(これも後方視界は劣悪だったりするが)総合点で届かず落とされてしまった。
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